オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

鍼灸

少陽胆経の流注について

目尻の瞳子髎に起こり 耳前の聴会→少陽三焦経の和髎→頷厭→陽明胃経の頭維 頭維→懸釐→懸顱→曲鬢→少陽三焦経の角孫→率谷→天衝→浮白→頭竅陰→完骨 そこから折れ曲り上行さらに前方へ→本神→陽白 再び折れ曲り陽白→頭臨泣→目窓→正営→承霊→脳空→風池→肩井→督脈の大…

漢方・鍼灸を運用していて思うこと

経絡の流れを見ると面白いのですが 陽明胃経以外の陽経の経絡は全て大椎と交会しています。 風邪は外感邪ですから外側から入ってきます。 経絡で特に外側に関係していると考えられるのは、 陰経の経絡より陽経の経絡です。 それらが交会するところから風寒邪…

少陽三焦経の流注について

第四指の小指側末端の関衝に起こり肩まで至り 肩髎→太陽小腸経の秉風→天髎→督脈の大椎→少陽胆経の肩井 そこから前に向かい陽明胃経の欠盆へ 欠盆から内側に入り心包に絡しそこから下降して 上焦・中焦・下焦(三焦)に属する 心包で分かれた分枝は再び欠盆か…

太陽膀胱経の流注について

目頭の睛明に起こり額を上り督脈の神庭・少陽胆経の頭臨泣と交会し 頭頂に上行して督脈の百会と交会する そこから耳の上角に向かい少陽胆経の曲鬢・卒谷・浮白・頭竅陰・完骨などと交会する 百会から分枝は脳に入り督脈の脳戸と交会しそこから再び外に出て …

太陽小腸経の流注について

第5指の小指側の少沢から始まり 腕を上がり肩甲骨周りに肩中兪まで行くとそこから 太陽膀胱経の附分→大杼を経て 督脈の大椎へそこから前へグルリと巡り欠盆へ欠盆は本当に多くの経絡が会合するツボと言えますね。 そして小腸経は肩甲骨周りのコリにもとても…

陽明胃経の流注について

chinese-medicine.hateblo.jp 陽明大腸経の迎香から始まる経絡です 表裏関係にある脾とともに嗅覚に胃経が大きく関わっているのが分かると思います。 陽明胃経身体の前面を流れる気血の充実した経絡で 女性の妊娠に大きく関わる衝脈・任脈も前面を走行してい…

脈診はウソ発見器

ここに書いたように 脈診で気の変化を見ているのは動脈の血管壁の筋肉の動きと心臓の押す出す力の部分になります。 これらの筋肉はどちらも不随意筋と言われ自分の意思でコントロールすることはできない筋肉と考えられます。 ですが感情の変化には敏感に反応…

陽明大腸経の流注について

太陰肺経で書いたように陽明大腸経は商陽から経絡が始まります。 肺・大腸は表裏にあると考え 肺が陰でより内側 大腸が陽でより外側 とも考えますので肺より大腸経の方が強く反応が出ることも多いですし 外からの邪の影響を受けやすいとも言えます。 商陽か…

太陰肺経の流注について

太陰肺経は中焦からおこり下って大腸に絡した後に再度上に上がり胃口を循り膈を通過して肺に属すると言われます。 この流れはとても面白く肺の中医学的機能に免疫機能があるのですが 現代医学的には大腸の盲腸は免疫機能に関わるリンパ組織が発達しています …

少陰腎経の流注について

少陰腎経は足の小指から始まり(小指の外側には膀胱経の至陰) 足裏の窪み湧泉に斜行しそこから内踝を周りその後、上に また途中に三陰交で厥陰肝経・太陰脾経・少陰腎経と足を通る陰経が全て交わります。 その後尾骨の先端の長強へ至り督脈と交会し脊柱を貫…

太陰脾経の流注について

太陰脾経は足の親指の親指側の隠白から始まります ちなみに厥陰肝経は親指の小指側の太敦より始まり 脾と肝の経絡のバランスが悪いと外反母趾の原因となったりします 脾は気血を作り出す臓で筋腱自体を作るのにも関わり 肝は筋肉の動きのコントロール臓腑の…

厥陰心包経の流注について

厥陰心包経の流注について書こうかと思います 五臓六腑の流注についてしか聞いたことの無い方には心包? となるかもしれません 経絡は十二正経と言いまして 五臓六腑に心包という臓が足された六臓六腑に それぞれの経絡が関係していると考えるのです これが…

少陰心経の流注について

心は血脈を主ると言われるように 動脈・静脈の走行と少陰心経の流注が類似しているのが分かるかと思います。 下行大動脈→腹腔動脈→消化器官 とのつながりを少陰心経→太陽小腸経のつながりと考えたのかもしれません この動脈によって供給される血液によって消…

厥陰肝経の流注について

泣きすぎて頭が痛くなったって経験はないですか? 泣くということは感情が高ぶっていると言えるのですが これは感動するや怒りや悲しみなど様々な感情によって引き起こされます。 全ての場合に共通するのは大きく感情がどちらかに振れるということです。 中…

夜間頻尿と睡眠時無呼吸症候群(閉塞型)の関係を中医学で考える

睡眠時無呼吸症候群のある人は夜間頻尿も併発するのが知られています 西洋的には 無呼吸⇒心臓に負担がかかる⇒循環血液量を減らそうとして利尿ホルモン が出る⇒頻尿になる と考えられるようですが、中医学で考えた場合どのようなつながりが考えられるのでしょ…

脈診と血圧計

東洋医学で大事にされる脈診ですが 西洋医学で考えた時に近いことをしているものっていうのは血圧計だと思いませんか? では血圧計の情報東洋医学に応用できるのではと考えましょう chinese-medicine.hateblo.jp ここでかいた脈診で確認してること 血管壁の…

NSAIDsを有効に使うには

NSAIDsと言う頭痛や生理痛などにもよく使われる西洋薬があります。 バファリンやロキソニンなどが有名かと思いますが、 これらの薬の問題点は 副作用として胃腸障害や出血傾向を助長するところがあります。 中医学的に考えた時この二つの副作用は繋がりを見…

治療の陰陽について

漢方・鍼灸治療をしていると 弁証などの見立てが正しくても効果が劇的に出る場合と出ない場合があります。 そこの大きな違いは何か? それはその病の原因が陰にあるのか陽にあるかの違いにあります。 陰とは実体のあるものと考えまして 陽とは物の変化のこと…

ヨモギについて

ヨモギは漢方薬としては艾葉(ガイヨウ)と呼ばれ 性味 辛・苦/温 帰経 肝・脾・腎 効能 散寒除湿・止痛、温経止血 散寒除湿・止痛の方の効能は乾燥させたヨモギの葉を煎じて服用することによって得られる効能 温経止血の効能は炭にしたヨモギを煎じて服用す…

流派により脈診の配置が違う?

この図の脈の配列は中医学の並びで実は経絡治療では順が違ったりします そうですね、最近かなり細かく東洋医学の考えで治療される先生に出逢って奥深いと感じ、また勉強しなおしてます。どうでもいい事だったら申し訳ないんですが、脈の右の肺脾心包と、肺脾…

脈診をシンプルに考えよう

脈診のことが書いている本を読んだりすると結構特徴的な脈についての名称であったりが出てくる。 ですがそのような特徴な脈にで会うことはなかなか無いので実際にそれを学習するのは結構難しい話になります。 そして名前の付いている脈であっても数種の状態…

寸・関・尺や左右なぜ五臓が分配されているのか

脈診を勉強するとこのように五臓がそれぞれの場所に配置されています。 西洋医学をやっている人間からするとなぜなのだろうととても不思議に思うと思うのです。 ここは私の考察によるところなので断言はできませんが 左右 左右に関してはリンパ液の影響など…

外感邪の影響を受けると脈は浮く

脈診は血管と血液の変化を触診していると言え 血管は外側→陽 血液は内側→陰 を反映しやすい。 陽の変化は早いが 陰の変化はゆったり そこを頭に入れながら脈診をすると脈の状態を理解しやすくなる。 血液は物体→陰 脈拍・血管の変動・心臓の押し出す力→陽 と…

二十四節気の処暑から霜降の脈象について(秋)

難経と言う鍼灸の古典には季節によって出やすい脈の状態が書かれています 七難との部分ですがそれには 二十四節気の処暑から霜降の時期は太陰の気が盛んになり 脈象で緊大長が現れるとあります 処暑から霜降とは年によって日は多少ずれるのですが 今年2020年…

二十四節気の夏至から処暑の脈象について(真夏)

難経と言う鍼灸の古典には季節によって出やすい脈の状態が書かれています 七難との部分ですがそれには 二十四節気の夏至から処暑の時期は太陽の気が盛んになり 脈象で浮大長が現れるとあります 夏至から処暑とは年によって日は多少ずれるのですが 今年2020年…

二十四節気の穀雨から夏至の脈象について(初夏)

難経と言う鍼灸の古典には季節によって出やすい脈の状態が書かれています 七難との部分ですがそれには 二十四節気の穀雨から夏至の時期は陽明の気が盛んになり 脈象では浮大短が現れるとあります 穀雨から夏至とは年によって日は多少ずれるのですが 今年2020…

二十四節気の雨水から穀雨の脈象について(春)

難経と言う鍼灸の古典には季節によって出やすい脈の状態が書かれています 七難との部分ですがそれには 二十四節気の雨水から穀雨の時期は少陽の気が盛んになり 脈象では大になったり小になったり短になったり長になったりするとあります 雨水から穀雨とは年…

二十四節気の冬至から雨水の脈象について(真冬)

難経と言う鍼灸の古典には季節によって出やすい脈の状態が書かれています 七難との部分ですがそれには 二十四節気の冬至から雨水の時期は厥陰の気が盛んになり 脈象では沈短敦が現れるとあります。 冬至から雨水とは年によって日は多少ずれるのですが 今年20…

二十四節気の霜降から冬至の脈象について(冬)

少陰とは心・腎のこと身体の上下のバランスに大切な臓ですね上熱下寒に気をつけないといけない時期なのかもしれませんね。#中医学 #漢方 #鍼灸 https://t.co/KQA9vQ8PvW— オックー@漢方(中医学)+鍼灸 #コサカ薬局堀之内店 (@okukatu42) 2020年10月23日 この…

巨刺(こし)について

鍼灸で不思議な治療の一つに巨刺(こし)があります。 例えば左手の肘を怪我して動かしのが辛いぐらい腫れあっていた場合 左手の最も痛い部分と同じ右手の部位に鍼を打つと 左手の痛みが軽減するといったもの これ実際に効果があることも多いんですが なぜ効く…