麻黄湯や葛根湯での動悸はエフェドリンのためとは限らない
Twitter などを見ていると葛根湯など麻黄の入っている漢方薬はエフェドリンが入っており動悸などの原因になる長期の使用は控えた方が良いなどの話がよく出ています。
これはドクターなどが体質も見ないで葛根湯などを肩こりなどで長期使用したりしているのに対するアンチテーゼだとは思うのですが、一般的な咳止めなどに入っているエフェドリンの量に比べると麻黄湯などのエフェドリン量は1/3にも満たない量です。
アレルギー性鼻炎に使われるディレグラ配合錠
— オックー@漢方(中医学)+鍼灸 #コサカ薬局堀之内店 (@okukatu42) March 13, 2021
塩酸プソイドエフェドリンとして240mg(1日量)
小青竜湯に含まれるエフェドリンは19.2mg
ですが場合によっては小青竜湯の方が効果の高いことがある。
エフェドリンでの副作用のリスクは小青竜湯の方が低いのは言うまでもありませんよね。
もちろん人により医薬品へ対する感受性は違いますのでものすごい少ない量でも動悸を起こす人はいますが
一般的に動悸が出る量とは考えづらいのですが、葛根湯などを使った時に動悸を感じる人達は結構います。
これは何故かと言うとエフェドリンのためというより寒熱の弁証を間違っている場合の方が多いと私は感じています。
葛根湯で動機が出たことがあるとの方に肺熱があったので麻杏甘石湯という葛根湯などより麻黄の含有量が多い漢方を使っても動悸は出ませんでした。
より正確に寒熱を判断することが大切なのがわかります。
また長期使用に関しては麻黄という生薬は辛温解表という熱を外に発散させる作用があるので疲れてしまうというデメリットがあります。
ですが適度に発散させることにより巡りがよくなる方はいますし、消耗した部分を補いながらの使用であれば長期に使うことも問題はありません。
また麻黄という生薬はとても面白い生薬で様々な生薬と組み合わせることによってもう一方の生薬の機能を高めたりすることができます。
エフェドリンが入っているというだけでそれを恐れ使わないのはとてももったいない生薬だと言えるでしょう。