オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

筋肉(陰血)は裏切らない 寒暖差・躁鬱

陰血は様々な体で起きる症状を和らげ

外部の気候変動などにも緩衝材として働きます。

潤いで熱を抑えますので暑さに強くなり

陽気を生みだしますので冷えにも強くなります。

陰血とは身体自体のことでもあると言えます。

また陰血は五臓に蔵されますがそれ自体を増やすのは難しい。

生まれ持ってのキャパなどもありますから。

ではどうすればよいかと言いますと、

筋肉をつけるのをオススメします。

筋肉は外付けの陰血貯蔵タンクとも言えます。

西洋医学的に考えても筋肉はグリコーゲンなどのエネルギー源と潤いを蓄えさらに動くことで熱を生み出します。

ですので筋肉の多い人の方が寒さにも暑さにも強いとよく言われます。

 

また筋肉を 中医学でいう陰血として捉えるとさらに 様々な役割をしているのが分かります。

陰血はメンタルの緩衝材としても働きます。

潤いで興奮を抑え

陽気を生むことで気持ちの落ち込みを防ぎます。

ですので陰血不足の方は躁鬱になりやすい

逆に言いますと陰血が増えるとメンタルが安定しやすいとも言えます。

筋肉は動くことで体の気の巡りを良くする作用もあります。

また鬱などの状態が長く続きますと陰血を消耗しますので

より症状が根深くなってくる恐れもあります。

鬱よりも躁鬱の方が治療に時間を要することもあるのはこのためかもしれません。

鬱から躁鬱に病気が進行するパターンもありますが、

本人は気づいていない体の不調から次第に陰血を消耗して

いきなり躁鬱になる方もいます。

そこは病歴なども含めた問診が大切になる部分ですね。

また筋肉が大切と言いますと頑張って運動をし過ぎてむしろ筋肉を消耗してしまうこともあります。

まず良い筋肉を作るのには強い(胃腸機能)が必要でそのうえで適度な運動をしていくこです。

 

俳優の武田真治さんが、鬱と顎関節症になり芸能界を引退その後
復帰のため、医師に相談したところ、
あごの筋肉を支えるために全身の筋肉を鍛えた方が良い
とアドバイスを受け筋肉を鍛えたところ顎関節症だけでなく鬱も改善したそうです。
これについては中医学でのほうが説明がつくかと思いますね。

鬱の方は過度の緊張にあるので寝ているときに過度に噛みしめがありそれにより

顎関節症になることも多いので

鬱と顎関節症の相関性は高いですね

ですので鬱の方を問診するときに夜間の噛みしめや歯ぎしり、顎関節症などがあるかは

チェックポイントですね。

そのうえで陰血の問題が強いのか陽気の問題が強いのかを判別するのも大切です。

 

またTwitterでの反響としてどの程度の運動をすればよいですかとの質問がありました

武田さんの例を挙げてしまったためか

「スクワット程度では足りませんよね」

スクワットは大きな筋肉のある下半身のトレーニングオススメです。

中医学的には下半身は陰と考え上半身も下半身があるから成り立つとも言えますので。

ただし年配の方などでスクワットやりすぎて疲労困憊などだと逆効果

無理な場合はまずはしっかり足を上げて歩くや登り階段は使うなど

降り階段は膝の負担になるので無理をして使わなくても良いと思います。

こちらのブログも参考になりますよ

 【五十肩とともに生きる:その3】筋トレで痛みを克服しよう!…慢性期~回復期の運動について