オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

百会(ツボ)と釣藤鈎(生薬)について

百会という有名なツボがあります。

私は薬剤師として漢方から入った鍼灸師ですので、生薬の効能などをそのままツボの効能として当てはめることができないかと考えることが多くあります。

百会は頭のてっぺんにあり、三陽五会穴と言われます。

三陽とは足太陽胃経・手少陽三焦経・足少陽胆経のことであり

五会とは三陽にプラス足厥陰肝経・督脈

と言った意味になります。

督脈の病、神志病、及び肝火、肝陽、肝風上擾、邪熱上攻、外感風邪による頭部疾患

を主治する常用穴

気虚下陥の常用穴でもあります。

 

私はこの陽経が全て集まるという部分もありますが厥陰肝経が関係していることがこのツボのキモではないかと考えています。

経絡の絵など見ると胸の下辺りの期門で終わるように見えますが

厥陰肝経は身体の内側を上行して百会で終わっています。

私が百会のツボと似ていると思っているのが釣藤鈎といわれる生薬です。

釣藤鈎は熄風定驚・平肝清熱・軽清透熱などの効果があると言われ。

黄耆・人参といった補気の生薬と合わせることによって肝気虚にも応用が効く生薬。

西洋医学的には脳血流を改善する効果があるとも言われています。

釣藤鈎について先に考察させて頂くと脳血流を良くすることにより、

脳の機能を改善させ、それによって脳の暴走を抑えると考えることができるかと思います。

ですが血管を開いて血流を改善するわけですから上げる力がなければ

余計に巡らなくなってしまいます。

ですからそういったときは肝気虚として捉らえ補気薬と合わせて使う必要が出てきます。

ですから脳の機能自身を高めることによって、気の巡りなどを整えていくと考えることができます。

 

では百会に戻って考えて見ますと 頭頂部にあるツボですから頭部の血流に影響を及ぼすのは当然考えられるかと思います。

また陽の働きとは脳からの指令であるとも考えられますので。

陽経が集まっているというのも納得ができます。

そして厥陰肝経が絡んでいるというのは脳自体の機能をコントロールしているということを昔の人が知っていたからではないでしょうか。

また気虚下陥で使う場合は 足三里・気海などの補気をするツボと合わせる方が効果的なことからも 釣藤鈎と人参・黄耆などを合わせたのと似たような作用と考えられるのではないでしょうか。

 

 

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