オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

五神・五志とは(魂・神・意・魄・志)

中医学では五臓は感情に関わりがあると考えます。

それを五神・五志と考えます

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五行・五神・五志

五志の方は分かりやすいと思うのですが

五神の方は??

となる方が多いと思います

五志の感情のもとになる五臓に蔵された神と考えられます。

意・志は二つ合わせると意志になりますね。

意志には様々な意味があるのですが

  • 目的や計画を選択し、それを実現しようとする精神の働き。知識・感情に対立するものと考えられ、合わせて「知情意」という。「意志を貫く」「意志強固」

として話を進めさせてもらいます。

腎とは先天の本*1であり、腎精を蔵し生命の根源であり脳や神経も腎から出来ると考えますから

そこがしっかりすることで少しのことで恐れ・驚きをしない志し

㋐ある方向を目ざす気持ち。心に思い決めた目的や目標。「を遂げる」「事、と異なる」「を同じくする」「青雲のを抱く」
㋑心の持ち方。信念。志操。「を高く保つ」

が生まれるのではないでしょうか

また脾は後天の本*2であり腎の消耗を常に補っています。

ですのでそこに余裕があることにより

  • 元来は考えるものの意。仏教において精神の主体的側面を意味し,意は精神の働きを示す。

考えに余裕が生まれますね。

ですので意志とは先天の本(腎)と後天の本(脾)共に充実して初めて強くなると言えるのではないでしょうか。

また意志の意味で

  • 目的や計画を選択し、それを実現しようとする精神の働き。知識・感情に対立するものと考えられ、合わせて「知情意」という。「意志を貫く」「意志強固」

と書いた部分の意志に対立する知識・感情が

知識→心に蔵される神

感情→肝に蔵される魂

に当たると言えます。

そして肺に蔵される魄は呼吸や自律神経など意識とは関係なく行われる動きや感覚などをコントロールしていると考えられます。

これらのことからもより根底の余裕などに関わるのは腎・脾・肺

その上に成り立っているのが心・肝と言え

以前に

chinese-medicine.hateblo.jp

 を書いた理由でもあります。

*1:生まれながらにして持っている生命力・エネルギー

*2:胃腸機能により新たに生命力・エネルギーを作る