五行図に見える感情の相関関係について(相剋)
に書いたように患者さんの感情表現だけを頼りに治療するのは危険なのを知って頂いたうえで、五行での感情の関わりを相剋の観点から書かせていただきます。
相剋とはお互いに抑制しあったりし依存しあう関係
肺(悲しみ)↔肝(怒り)
人は期待していたものがなかった時(物質とは限らない)
悲しみを感じます。
悲しみが強いとそれは怒りになります。
人は図星を指されると怒りを感じます。
怒りは喪失感を生じ悲しみになります。
怒りと悲しみが相互に依存しているのがわかります。
魂魄がかかわる感情で外部の状態との関わりがどちらの感情も大きいと考えられます。
臓腑的にも
肝は精神的ストレスと言う外部からの刺激に関わり
肺は物理的ストレス(寒暖差など)と言う外部からの刺激に関わり
ますね。
また
怒り外側への発散
悲しみは内側への収斂
の感情ですから対をなしていますね。
肝(怒り)↔脾(物思い)
怒りが強いと怒りの感情の相手について色々考えるようになります。
色々考えすぎると不満が生じて怒りになります。
また怒りが強すぎると考えを放棄してしまうこともあります。
怒りと物思いも相互に依存しているのがわかります。
怒りは魂がかかわり外部からの影響が大きい感情
物思いは意がかかわり受け止める側の影響が大きい感情
臓腑的にも
肝は精神的ストレスと言う外部からの刺激に関わり
脾は食物から気血を作るといった自身の余力(後天の精)に関わります。
脾(物思い)↔腎(恐れ・驚き)
色々考えると不安になり恐れやすくなったり驚きやすくなります。
恐れや驚きといった不安な感情は考えすぎを起こします。
また逆に考えすぎで消耗しすぎると恐れすらしなくなる場合もありますし
恐れや驚きといった不安な感情は度がすぎると考えるのを放棄させます。
このように、物思いと恐れ・驚きも相互に依存しているのがわかります。
臓腑的にも
脾は食物から気血を作るといった自身の余力(後天の精)に関わり
腎はより根底的な余力(先天の精)に関わります。
先天の精は後天の精により日ごろから補充される関係
腎(恐れ・驚き)↔心(喜び)
恐れ・驚きといった不安があるとそれがない時は喜びを感じます。
また慢性的な恐れ・驚きは喜ぶ力を奪ってしまうことも
逆に常に喜びに溢れていると適切な恐れなどを持てなくなることも
これは
薬物依存に近い状態
喜びとは外部の影響より自身の余裕の部分が大きく
最も肉体の影響から遠い陽な感情だと思います。
臓腑的にも
腎はより根底的な余力(先天の精)に関わり最も物質的臓(陰臓)
心は神を蔵し精神活動の中心で最も精神的臓(陽臓)
心(喜び)↔肺(悲しみ)
喜びがあるからそれのない時、悲しみの感情を抱きます。
また喜びがあると悲しみは和らぎます。
臓腑的には
肺が気のコントロール心が血の推動に関わり血脈のコントロールに大きく関わっています。
五行の考えはメンタルの疾患にも応用が効くので
— オックー@漢方(中医学)+鍼灸 #コサカ薬局堀之内店 (@okukatu42) 2020年10月17日
とても役立つ
回復してきたときの自殺が多いのも
腎から回復するのでなく脾→腎の順で回復するから
腎が弱ったまま行動力だけが先に戻る#五行 #中医学 #漢方 #鍼灸 https://t.co/1AOU2bcb9z
ここでの話題は
脾(物思い)↔腎(恐れ・驚き)
の関係で恐れ・驚きの感情を放棄してしまった後に
体調が戻って来た時
まずは外からエネルギーを取り込む脾から回復するので
恐れの感情が麻痺したまま自殺する行動力だけ先に戻ってしまう
といった話です。
脳の機能を活性化したりするのでそこのズレが問題になるのかもしれませんね。