痛風を中医学で考える
尿酸を過剰に生産してしまうのと
尿酸を上手く排出できない
が大きな原因だと言われています。
西洋医学的に治療でもこの二つへのアプローチをしていきます。
食事療法として尿酸の原因となるプリン体の多く含まれる食品を避けるなどをします。
また尿酸値を上げる原因を考えていくと中医学の考えが合致する部分が多く面白いです。
尿酸値の大敵としてやり玉に挙げられるビール
ビールはプリン体含有量が多いのでまずそこが問題ですが
プリン体の入っていない焼酎などにすると問題が解決するかと言いますと解決しません、
アルコールが尿酸の原料となるプリン体の腸管吸収を促進したり、腎臓からの尿酸排泄を抑える働きがあるからです。
これは実は中医学でも同じことが言えます。
お酒は中医学では痰湿*1過剰の尿酸も痰湿と考えることが出来るからです。
痰湿として考えると治療の幅が広がります。
中医学では脾・腎の不調が痰湿の生成に大きく関わると考えます。
痰湿を作り出すのが脾
痰湿を排出するのが腎
だからです。
まさに西洋医学とかぶる感じですね。
ですので脾・腎の状態の改善が尿酸値の低下につながるんです。
また西洋医学では原因は分かっていませんが
肥満やストレスが尿酸値を上げるのが分かっています。
中医学で考えると肥満で要らない脂肪があるのも痰湿と考えますから当然ですし
ストレスに関わる肝*2と脾は相剋の関係で肝に問題が起きると脾も弱ると考えるので
ストレス→肝→脾→痰湿
とのつながりが考えられますね。
ですので様々な原因による高尿酸血症の予防に西洋医学以上に幅広いアプローチが中医学で可能なのが分かります。
そして痛風で問題になるのは大変腫れあがり痛みを伴う急性期ですね。
こんなときは風湿熱痺として考え清熱通絡・袪風除湿のなどを行い急症状を抑えます。
白虎加桂枝湯や麻杏甘石湯、麻杏薏苡仁湯*3などを使うことも多いです。
そのうえで西洋医学と同様に尿酸値を抑えるのを心掛ける感じですね。