中医学で考えるピル使用について
PMS・生理痛・過多月経などの治療にピルが使われる事が多くあります。
これを中医学で考えると
辛い症状が出ていている時には
辛い症状を抑える標治を重視するとの考えがあります。
ですので生理そのものを抑える
ピルなどの治療も標治とも捉えることができます。
ですが中医学にはその先の治療もあるのがポイント
症状が落ち着くとその間に根本原因への本治をする
根本原因が良くなると悪い状態が再発することもないとのことです。
では症状がひどい時になぜ標治が必要かと言いますと
辛い症状がさらなる辛い症状を生んでしまうことが多いからです。
PMSなどで精神不安定がひどくなるとそれによりストレス耐性が低下してより不安定になることや胃腸症状などに波及することも多い
こういった状態のケアは漢方・鍼灸の得意とするところ
生理痛なども痛みはストレスですから同様です。
また大量に出血し過ぎる方の場合
肝血の不足により肝の機能低下が考えられます。
肝の機能が低下すると、相剋の関係にある脾*1 が弱り
脾が血を作り出せないという負のスパイラルに、
生理の量が多く負担になると中々このスパイラルから抜けるのは難しかしいです。
出血量を抑えるため漢方・鍼灸を使ったりするのも手ですが、それでも難しい時はピルを併用するのも一つの方法です。
東洋医学治療をするからピルはダメだと言う人がいるとしたら全体像を見るべき東洋医学の意味合いを理解していない人と言えるのではと思います。
ただ標治だけではなく根本原因への本治も必要なので漢方・鍼灸と西洋薬の併用もオススメしたいし。
日頃からの食養生などもおろそかにしてはいけないと言えます。
また漢方・鍼灸だけでもPMS・生理痛・過多月経は良くなることも多いのも事実ですのでピルを使う前に検討する価値は高いと思います。
また不妊治療を考えている方はピルを飲み続けるわけにいきませんからそれをきっかけに漢方・鍼灸治療の良さに気付いてくださる方も多いです。
*1:胃腸機能