オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

整形外科での関節の手術について

実家に少し帰省しているのですが

親の友達がコロナが流行りだしてから外に出歩かなくなり

足腰が悪くなって今度手術をするとの話が数件さらには

コロナの関係で手術のみでリハビリが出来ないとの驚きの内容

私の私見ですが整形外科の手術の多くはリハビリとワンセットで初めて効果が期待できると考えています。

高齢者の人工関節の手術は術後の筋肉の回復もありきだからです。

手術で良くなるのは関節のみで筋肉はむしろ回復までの間、動かせず弱ってしまうからです。

さらに大きな問題は関節が弱る理由が

筋力や腱が弱ることにより関節をしっかり支えられなくなっていることが大きいので本末転倒な部分ですね、それだけにリハビリは切り離せない

また日頃から適度に運動をすることが筋力低下を抑えることがむしろ関節を守ることになると考えます。

これらを中医学的に考えると

筋肉・腱に関わるのは脾*1と肝*2

脾のケアは食べすぎを防ぎ脾への負担を減らし更によく噛んで食べすぎ防ぐとともに消化を助けるなどが考えられます。

必要であれば漢方・鍼灸でのケアも考えます。

また脾が弱ると痰湿と言われる要らない脂肪なども作り出すので体重増加にもつながり要注意です。

そして肝のケアとしては適度な運動により筋肉を維持これが肝血の充実につながります。

また運動をすれば気の巡りも良くなるので肝の状態が良くなります。

またタンパク質、ビタミン、ミネラル(鉄分など)などバランスの良いものを食べることも大切です。

こちらも漢方・鍼灸でのアプローチも有効です。

そして関節や骨に関わるのは腎

腎は先天の精*3に関わりますが

それを減らないようにするには脾からの後天の精*4で補う、肝血と腎精は同源との考えから肝のケアをするなども大切で

脾・肝・腎のつながりからも食事や運動が関節のケアにつながるのが説明できます。

このようなことから手術後のリハビリに合わせ漢方・鍼灸で脾・肝のケアをするのはとても有効なのが分かるかと思います。

また手術で直接関節を人工物に交換するのは中医学でもなかなかケアが難しい腎に直接アプローチしているとも言え西洋医学中医学の併用の良い部分であると思います。

 

 

*1:胃腸機能

*2:筋肉のスムーズな動きと血を蓄え気血の動きをコントロール

*3:生まれ持ってのエネルギーに関わり尽きると死ぬ

*4:食べ物などから補充される気血