葛根湯・麻黄湯の飲み方(カゼ・肩こり)
葛根湯や麻黄湯は風邪にとても有効な漢方で上手く使うと即効性があり効果に驚く程ですが上手く使わないとむしろ体調を悪化させるおそれすらあります。
まず使ってはいけないのは
熱ぽい風邪
このタイプに使うとカゼを悪化させるので注意が必要です。
葛根湯などは一気に体温を上げ病邪を追い出す漢方
熱ぽくしんどいのを悪化させ、過度の発汗をすることにより体力を消耗させてしまいます。
葛根湯などをを飲まないでもカゼの熱症状が激しいと同様に病状が進展します。
これを太陽病から陽明病に移行すると中医学では考えます。
ですので、葛根湯や麻黄湯をおススメ出来のは寒気タイプのカゼです
体を一気に温めることでカゼを追い出します。
使いどころは寒気がひどくなってからではなく、
「あれ?」
と思った早い時点そこで使えればそれ以上の症状が出ることもなく治ってしまうこともあります。
ですので身体の異変に敏感であることが大切なんですね。
この飲むタイミングがベストでも飲み方を間違えば効果を出せないことがあります。
身体を温めたいわけですから温かいお湯で飲むのが必須さらにみそ汁など温かい汁物も飲みましょう。
更には身体を冷やさないよう布団などをかぶる、湯冷めしないよう注意してお風呂に入るなども良いです。
それにより汗をしっかりとかければ体温が必要な状態まであがった証拠なのでそれ以上は葛根湯などを追加で飲む必要はありません。
ただ注意したいのが寒気もあるが汗もかいている状態
本来、寒気とは身体を温める必要があると脳が感じているが必要な体温まで上げられていない状態
そんな時に体温を下げる汗をかくのは異常な状態だからです。
ですのでカゼの患者さんが漢方が欲しいと来たときに脈診をするとき
特に気をつけているのが肌にジトっと汗をかいていないか
これがある場合は麻黄湯はススメません、葛根湯は麻黄湯より潤いを保つ葛根、芍薬などが入っているので度合によっては使えますが、より優しく温める桂枝湯や柴胡桂枝湯などを使う方がベストなことが多いです。
さらに葛根湯、麻黄湯、桂枝湯などは元々身体を温める力がある人の力をブーストする漢方ですから、ベースとなる熱量がない人の場合は効果が期待できません。
そんな場合はベースの熱を底上げする附子などの入った麻黄附子細辛湯を使ったり真武湯をプラスで加えたりすると効果的なことがあります。
また葛根湯は肩こりで使うのも有名な漢方です。
筋肉の緊張を取る芍薬、首あたりの詰まりをとる葛根が入っているわけで、効果的なのが分かるかと思います。
ですが本来、身体を一気に温め寒気を取るのを目的としていますので長期の使用はおススメ出来ませんし、ジトっと汗をかいているような場合はむしろ潤いなどを消耗してしまいむしろ逆効果となることもあります。
ですので、クーラーなどにあたり首筋が冷え肩こりがひどいなどの時には劇的な改善が期待できる漢方だといえます。
こわいのは一度良かったからと漫然と飲んでしまうこと
漢方のは様々な種類のものがあるので
のバランスを考え使い分けていただきたいものですね。