小さなお子さんは純陽?
純陽
小児の生命力が旺盛で盛んに発展していく様を天に昇る朝日の勢いのようにまた草本の芽吹きのように例えたものであり決して正常な小児が陰が無く陽だけであると言っているのではありません。
稚陰稚陽
小児にはもう一つ大きな特徴がありまして、それは稚陰稚陽と言い
陰も陽もまだ未熟であるといった部分です。
小さなお子様を見れば分かると思うのですが、大人より成長が早く体温も高かったりしますので陽は大人より盛んなのが分かるかと思います。
また小さなお子様の肌は水分量が多く赤ちゃん肌などに表現されるようにプルプルで潤いが豊富です、ですから大人より小児の方が陰も充実しているということがわかります。
ですが成長期であるがゆえに陰も陽も不安定であり少しのことで崩れてしまうというのが問題点だと言えるのです。
また陰には潤い意外に体の実体自身を指す意味合いもありますので、大人の方がしっかりとした体が出来上がっているので陰が充実しているとも言えるのです。
ですので小さなお子さんは潤いが多いために冬場なのに冷えてしまうとそれがうまく巡らなくなりしもやけになりやすかったりします。
小児の治療の際に私が心がけていること
乳幼児に蜂蜜を食べさせたりすると乳児ボツリヌス症によって亡くなってしまったりする恐れすらあるのはお知りかもしれませんが、
これは乳幼児がまだ胃腸機能が充実していないのを指しています。
乳幼児でなくなっても小さなお子様は大人に比べるとまだ胃腸が安定していません
ですので小児の治療ではとても胃腸を意識した治療が必要になることがあります。
ただ中医学を勉強し始めると小さなお子様はまだ腎が充実していないのでそれを補わなければいけないのではないかと思うのが普通かと思います。
ですがその腎を充実させるのも胃腸機能だったりしますのでそちらを忘れてしまっては本末転倒となってしまう恐れがあるのです。
そもそも腎精とは何かと言いますと人の体の中にある気・血・津液の全部を指しているという考えもあるのです。
そういった面から言いますと体自体がしっかりできていないのがまだ腎が充実していないということを指していると考えられるのです。
正常なお子様でも大人と比べるとまだ充実していないのは当たり前ですので、多少は腎がまだ足りないというのは当然だとも言えます。
ですが通常の同年代の子様と比べて極端に成長が遅いなどの場合はもちろん腎を意識しなければいけないわけです。
また成長期にあるので大人より病気からの回復が早かったりもしますし
成長期で脳もどんどん発達しているので体表に適切な刺激を与え脳の良い成長を助ける小児鍼などもとても有効なのだと考えています。