中医学ではステロイドも使う
中医学と言うと漢方薬と鍼灸を使うものだと思われると思います。
もちろんそれらを使うことは基本ではありますが
あくまで漢方や鍼灸というのは道具でしかありませんので、
もっと大事なのは中医学の治療理念だと思っています。
どのように治療していくかという事の方が大切だということです。
以前にもおかけしましたが、中医学には本治と標治という考えがあります。
この考えであれば抗生物質であったりステロイドであっても治療の道具として考えることができるのです。
中医学では標の症状がとても激しいときはまずそれをしっかり押さえた後
本も治さなければならないとの考えがあります。
ですからアトピーなどで大変ひどい症状が出ている時にそれを抑えずに我慢するなどという考えは元々ない考えなのです。
もちろんステロイドのような薬が無かった時代には、
そういったことはできませんので最大限炎症などを抑える漢方・鍼灸などを使って対応していたとは考えられますが、
今の時代ステロイドが使えるのですからそれを使わない手はないわけです。
ステロイドのように激しい炎症をしっかり抑えてくれる薬はとても有効な標治の薬と考えることができるからです。
病院でのステロイド治療の問題点といえばただ漫然と症状を抑えることだけを続けることにあると思いますので、
ステロイドで症状が抑えられている間にどういった生活の改善ができるかを考えていってほしいものです。
アトピーが出てしまっている原因の体のバランスの狂いを整えていくことをする必要があるのです。
そういった部分の治療として漢方や鍼灸を使うことはとても有効なのでもちろんお勧めします。
また漢方薬であれば症状を抑える薬をずっと使い続けても安全かと言えばそういったことでもありません。
そういった炎症を抑えるような漢方薬は胃腸などの負担にもなりますので、
続けることによって胃腸障害などが出たりアレルギー症状が起こったりして続けていくことすら無理になってしまうこともあります。
そういった部分も考慮した治療でなければそれは中医学ではなくただの漢方を使った治療です。