オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

生理前後のカゼのような症状について

生理の前後に風邪のような症状が起こる人が結構いらっしゃいます。

 生理が来てからのカゼのような症状

生理が来てすぐにカゼをひいてしまったりするのは生理により気血が消耗され免疫力などが下がる(正虚)ので風邪をひきやすくなってしまう(邪実)ということがまず考えられます。

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この場合は普通のカゼの対応と同じでよいとは思いますが

正虚があるのは考慮した対応は必要だと感じます。

 

また生理での出血により陰血を消耗したことによる

陰虚熱での発熱も考えられます。

この場合は潤いを補ってあげる必要があり

滋陰降火湯・清心蓮子飲などを使ったりします。

 

高温期の間のカゼのような症状

基本的に風邪を引いた時に寒気がしたりするのはウイルスなどに対抗するために免疫力を上げようとたい基礎体温をあげようとするもののそこまであげることができないのでそこでのずれが寒気として感じられるのです。

では低温期から高温期になった場合はどうでしょうか?

同様に体は普段より基礎体温を上げようとするわけですがそこまで上がっていなければ同じように寒気を感じてしまうこともあるかと考えられます。

こういった時の対応は寒気がするときの風邪の対応と同じような対応でスムーズに温めてあげればいいわけです。

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また普段と比べると基礎体温が高くなっているわけで、

陽が増していると言える高温期では普段から潤いが足りない人にとっては陰陽のバランスが狂ってしまい、

熱が上がり過ぎてしまったような状態になることもあります。

そういった場合には陰血をしっかり補ってあげて

この虚熱のような状態をしっかり押さえてあげることが大切です。

急遽潤いを足すのは難しくこのような症状が出ていないときの本治が大切

「急なれば即ちその標を治し、緩なれば即ちその本を治す」

の緩なれば即ちその本を治すですね
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同じように基礎体温が高くなる高温期では普段ならそこまで問題のならない

飲食での熱やストレスでの熱がより増してしまって

熱化する場合もあります。

この場合はこもった熱をしっかり抜いてあげる必要があり

清営顆粒・桃核承気湯・加味逍遥散・白虎湯などを使ったりすることも

 

また高温期は気血のめぐりが悪くなってしまいがちですので、

その詰まりにより部分的な寒熱のバランスの悪い所が起こることがあります。

この場合、寒気と熱感が入り混じった感覚のことが多く往来寒熱と言われる状態になりやすい。

そういった場合であれば、半表半裏と言われる部分のめぐりをしっかり整えてあげることで落ち着くことも多いです。

小柴胡湯柴胡桂枝湯・柴胡桂枝乾姜湯などを使うことが多いです。

 

いずれの場合もウイルスなどに感染してのカゼと比べると人の正常な反応としての熱であったり寒気であったりするので過度の高熱になってしまったりする恐れは少ないと言えます。

もし強い高熱が出た場合は 普通にカゼなどを疑う必要もあるのは忘れないでください。