オックー中医学勉強会(フォロワー1700名記念)
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心
血脈を主る
これは西洋医学で考えると心臓のポンプ機能とともに血管などの状態も心が関わっていると考えています。
神明を主る
こちらは大きく西洋医学と違うところで、精神活動なども心が行なっていると考えています。
東洋医学は観察医学なので精神状態が動くことによって脈拍数などが大きく変化することからこのように考えたのかもしれません。
西洋医学では精神活動は脳がすると考えますが、脳は大飯喰らいですからその機能を維持するために心臓に多くの血液を要求することは当然だと考えられます。
中医学でいうところの心とは、西洋医学でいうところの心臓と共にそれに対して指令を与える脳の部分も含めていると考えるのが自然です。
また心気とは心血があることで成り立つと考えるので完全に分けて考えることが出来ず心気を補うには心血も一緒に補わなければなりません。
心と表裏の関係にあるのは小腸と考えられています。
小腸の問題としてよく上げられるのが小腸湿熱ですこれは膀胱炎、リウマチなどにも関わり過剰な熱反応のことを指していたりするので、小腸のパイエル板などのことも指しているのかもしれません。
肺
気を主り呼吸を司る
呼吸に関しては西洋医学でいう肺とほとんど同じと考えて良いと思うのですが、 気を司るというところは呼吸のリズムなどによって自律神経などがコントロールされ体の巡りにも大きく関わっているというところを含めて肺の機能であると考えているのだと思われます。
宣発・粛降を主る・水道を通調する
これに関しては汗を調整したり体表の血管の拡張縮小などをすることから、体液を全身に循環させることなども含まれている概念です。
合は皮毛である
体表に大きく関わっていると考え外からの邪に対して防衛機能などを示すのも肺だと考えます。ですのでこれは西洋医学でいうところのリンパなどの免疫系なども含んでいます。
中医学でいうところの肺とは、西洋医学でいうところの肺の呼吸機能以外にも自律神経の調整であったり、リンパなどの体液循環、免疫機能なども含めたものと考えるのが自然だと思っています。
肺と表裏の関係にあるのが大腸だと考えられています。
これは身体の表面(外と接する場所)との共通部分もあるのかもしれません
ですので表面が乾くと肺も乾くし大腸も乾きます。
脾
運化を主る
運化とは食べ物を食べてそれを分解吸収し再構築分配することを指します。
これを西洋医学的に考えると、小腸などから栄養素・水分を吸収しそれを肝臓が分解再構築したりすることを指していると言えます。
またこの機能がうまくいかない時は痰湿を作り出すと考えるのですが、痰湿とはうまく巡っていない機能していない体液のことを指しますので、西洋医学でいうところの悪玉コレステロールであったり、必要以上の血糖、尿酸などは痰湿に分類されると考えられます。
コレステロールを合成したりするのも肝臓ですからこの部分でも中医学でいう脾とは西洋医学でいう肝臓は近いものであるのが分かります。
血糖値をコントロールしているのが膵臓でありその側面からは中医学でいう脾は膵臓の機能も指していると考えられます。
生血・統血する
脾が正常に機能すると気血が充実するので気が血を漏らさないことができると考えます。
これは西洋医学的にも長期間抗生物質などを飲み続けた人はビタミンk の不足など起こし出血傾向が出ることが分かっています。
ですので統血とは血小板などの出血時に血液を止める機能のことを指しているとも考えられます。
そして血小板に大きく関わるのが脾臓(西洋)体の30%くらいの血小板が貯蔵され出血時などに使用されます。
また血小板の成熟に必要なのが肝臓(西洋)なので肝臓が弱ると出血しやすくなります。
そして血小板の元を作り出すのは骨髄ですからこれも中医学での脾・腎の関係を表していますね。
ですので胃腸機能を整える漢方を使って統血を良くすることもありますし、四物湯などを使って血を充実させることによって止血することもあります。胃腸の機能を良くする部分と血を補う部分 合わさった統血の薬といえば帰脾湯が思い浮かぶと思います。
帰脾湯とは胃腸補う薬と血を補う薬が合わさっておりますが他のそういった漢方と違い気血のめぐりを強く巡らせるものを極力入れないで出血を抑えるの構成となっています。
脾と表裏の関係にあるのが胃だと考えられています。
胃は消化の始まる場所ですから胃腸機能である脾の表裏なのはわかりやすいと思います。また陽明胃経は身体の前面を走っておりその部位の筋肉の充実にも関わっています。
肝
疏泄・条達を主る
これは肝が気の巡りなどに関わると考えるのですが、 この機能は何かと西洋医学的に考えると脳の機能であると考えたほうがわかりやすい部分の方が多いです。
西洋医学的にもストレス いたりすると胃腸機能が低下したりするのは分かっていることですし、 ストレスが強くなると交感神経優位になりそれにより末梢血流の低下なども分かっているところです。
また肝の経絡の流注や梅核気や胸脇苦満といった肝の不調から起こる症状を考えますと、迷走神経と関わっているところが大きいと考えることもできます。迷走神経は 内臓運動の調整と消化液の分泌に関わっておりさらには外耳と咽頭部の感覚にも関わっています。また横隔膜の動きにも関わっていますので、迷走神経の不調は胃腸の不調につながりこれは肝脾不和などで説明がつくところであるかと思います。また肝の不調は胸脇苦満と言った胸の辺りの緊張感に関わってきますので声は横隔膜に関わっているところから推測できる部分でもあります。梅核気などの器質的に問題はないが喉に不調を感じるのものどの部分の感覚に迷走神経が関わっていることが容易に推測ができます。迷走神経は脳幹部と言われる生命の維持にとても大切な部分から出ている神経です。ですので肝の機能は脳の本能的な生命維持の部分に関わる部分が大きいと考えるのが自然です。
また肝の働きを考える時に他の機関を切り捨てても脳を守ろうとしていると考えられるところが多くあります。
ですので脳を多く使うストレスを感じたりすると血圧を上げる事によって脳に届く血流量を増やそうとしたりするのです。
肺も自律神経に関わるところが大きいと考えられますが、より脳を守ろうとする部分は肝であり全身の機能を維持しようとするのが肺と考えることもできるかと私は考えています。
またくくり方を変えると体の部分の気の巡りは肺、脳からの指令は肝と捉えることもできるかと思います。これはどのの部分で切り分けるかで状況が変わってきますが東洋医学という考えはこの辺は柔軟に切り分けて考えていきます。
ですから自分で考える時にどの部分の階層で考えている顔考えていないとむしろごっちゃになってしまうので注意して欲しいものです。
血を蔵す
肝は血を蓄えて必要な量をうまく分配する機能があるとも考えられています。
西洋的な臓器でこのようなことをしているものを何かと考えますと脾臓が考えられます。
人間の脾臓はそこまで大きく血流のコントロールには関わっていないですが、クジラなどの場合は深海から浅瀬まで圧力がとても変わる環境での血液量のコントロールをしないといけないので脾臓がとても発達しており、深海に入った時は末端の血液を寄贈に集めることによって圧力に耐えるなどもしています。
また細かな血液の分配に関わっているのは細動脈などの筋性動脈でこれらの拡大縮小により血流の細かなコントロールをしています。これらのコントロールをしているのが自律神経だったりもしますので、血管と自律神経の両方の部分を合わせて肝ということもできるかと思います。
肝と表裏の関係にあるのが胆だと考えられています。
ストレスが多いと胆汁の逆流で口が苦くなることもありますので肝との関係は密接です。また経絡的には身体の側面を走行するので身体を撚るなどの動作に大きく関わります。また三焦経とともに少陽経に属し半表半裏の不調とも関係します。
腎
水を主る
これに関しては西洋医学でいう腎臓の機能である尿を作って排泄するといった部分がそのまま当てはまるかと考えています。
精を蔵し、生殖・発育を主り、先天の本である
広い意味相手の精は体の実体そのものであることで、脳を含めた全ての体のものとしての部分を腎として考えることもできるのです。
体はいずれ老化し朽ち果てていくっていうところを腎として表していると考えても良いかと思います。
腎は、作強の官、伎巧ここより出づ
細かな作業を精密に行うには腎の充実が必要とのこと
この部分は肝の
疏泄・条達を主る
に通ずる部分がありますがどちらかと言えば腎の方が物質的充実、肝の方が機能的充実のことを指していると考えるとわかりやすいですね
肝気>肝血>腎精 より陽
肝気<肝血<腎精 より陰
腎と表裏の関係にあるのが膀胱だと考えられています。
尿の排泄だけでなく、身体の上下のバランスにも大きく関わっています。
ここまで書いたように六腑は陽に属するので経絡上に反応が出やすいとも感じます。
また観察医学である中医学でも腸管の動きなどは外部から観察しやすく比較的西洋医学での胃・小腸・大腸・膀胱などに近いものと考えられるかもしれません。
気血津液
五臓とともに大切なワードとして気血津液がありますねこれに関しても西洋医学でいうところの血液やリンパなどと混同する部分も多いかと思うのでお話しさせていただきます。
この中で一番間違えられやすいのは血ではないでしょうか?
血液と同じものと考えられがちです、ですが心血や肝血の働きを考えてみると、精神状態などにも大きく関わり神経繊維そのものの質のことも指していると考えることもできますし、血液は脳を循環し脳が持ってしまった熱を体中に分散する働きも持っています。この機能を中医学で考えると血の働きではなく津液の働きとして考えます。
ですので血液の中の栄養を与えたりする部分を血と考え体の潤いであったり熱のコントロールなどに関わる部分を津液と考えることが必要です。
また津液は血液だけではなくリンパ液などの体中の体液のことも指しているのでそこも見落とすません。
気に関しては西洋医学ではないワードなので混同はしにくいと思うのですが、体の動きや熱エネルギーそのものですので様々なものを表しています。例えば血が巡って動いているのも気の働きですし、激怒したりして「頭に血が上っている」というのもよく聞くかと思うのですがこれも脳が栄養を求めるのでそれに対して血圧を上げて血液を上に上げていることを指しています。これを中医学で気の上逆と言いますので気の動きとして捉えているのです。
また生理前などに気の巡りが悪くなると胸が張ったりすることがあるのですがこれは西洋医学で考えるとホルモンの関係で胸の部分に浮腫が生じていると考えることができます。むくみと言うと痰湿と考える場合も多いとは思うのですがこの場合はホルモンによって一時的に詰まっているだけでそれが治るとすぐ治るわけですから気が詰まっていると考えるのです。
外感邪とウイルス・細菌
外感邪(六淫などと呼ばれる風・寒・暑・湿・燥・火の邪)をウイルスや細菌などと一緒にしてしまっている人も多いと思います。
ですが実際は全くの別物です。ウイルスや細菌が体に入ると人の体では変化が起こります。これらの変化について論じたのが外感者です。
ですからどんなタイプのウイルスや細菌が入ったなどは大きな問題ではなくその人にとってどのような変化が起きているかの方が大切なのです。
またリウマチなどの自己免疫疾患なども体のバランスが狂って怒ってくる症状ですので、 中医学では外感邪として考えます。
風寒湿邪や風湿熱邪などが経絡上に詰まって痛みなどを起こすのが一つの原因と考えるからです。
風邪とは体の中で起きる大きな変化のことを指しています。ですので大きな寒暖差などが起きた時に特に発生しやすく、他の者を一緒に引き込むことも多いと言われるのです。
外部からの変化に影響を受けやすいのは体の元々の体質が弱いというところもあるのでそこも考慮してどのような外感邪が関わっているか推測することも大切です。
では内生の邪とはどう違うの?となるかもしれません
実は完全に分けるのは出来ないと私は考えています
出だしが外部の環境変化が大きいのか?
食生活やストレスなどによるものが大きのか?
などの違いであるのと
より外側に関わる肺や腑、経絡が関わっているか?
内側の肺以外の臓な関わっているか?
などの違いだと考えて下さい。