五臓のつながり相生について
脾
脾(胃腸機能)は身体全ての陰(実体の有る物)を作り出す工場!
それは血、津液とは限らず
痰湿も作り出す
そして、血は気を生みだします。
肺
肺は脾の子供
脾の作り出した痰湿の影響を受けやすい
そして脾が作り出した陰に大気のエネルギーを加え
血としての機能を充実させる
腎
腎は肺の子供
脾・肺の作った気血を納めます
これが上手く行かないと喘息などにも
身体の陰(実体)の根源でもあります
作り出すより蓄えるイメージ
肝
肝は腎の子供
腎が充実して身体のベースがしっかりしていると少しのストレスで
いらいらしなくなります
少しの事で切れて仕舞うようなら
肝腎の不調を疑いましょう!
心
心は肝の子供
常に肝(将軍)にまもられた君子でもあります
肝が弱ると守り切れません
精神活動の中心なので弱るとメンタルが不安定に
脾
脾は心の子供
心が全身に巡らせる気血によって支えられています
ですが気血を作り出す元は脾
ですので脾が弱っているからと心を強くすれば良いとは簡単に言えない、これは脾が全ての臓の中心にあるとの考えが有ることからも明白です
ではどうすれば?
漢方などで補うもありですがまずは
睡眠をしっかりとる寝ている間に血は充実します
また細かな作業やパソコンを使い過ぎない心血を消耗します
特定の味を極端に好んだり嫌ったりする人の体質について
特定の味をやたら食べたくなったり嫌ったりする事があれば、
どこかに不調を疑って下さい
五臓 のどこかに問題があると特定の味を求めたり嫌ったりすると考えます。
肝 →酸味 心→苦味 脾→甘味 肺→辛味
腎→塩味
五味と五臓の関係はそれぞれの臓腑の虚実 と関わりが深く臓腑の機能を理解するのにも役立ちます。
ただ 中医学で言う虚実とは、
邪実と正虚で日本漢方で言う人の体力あるなしではありません。
五臓 邪実 正虚 五味
#肝 #気滞 #肝血虚 #酸味
#心 #熱邪 #心陽虚 #苦味
#脾 #痰湿 #脾気虚 #甘味
#肺 #気滞 #肺陰虚 #辛味
#腎 #痰湿 #腎陰虚 #塩味
といった感じですね。
またこの五味とは最も深く関わる味であって
肝=酸味
と考えてしまうのは危険です。
肝
肝は気を巡らせる臓、酸味で収斂(引き締める)しすぎると巡らなくなる場合があり酸味を嫌う事がある。気滞(邪実)
また発散効果があり気を巡らせてくれる辛味を好むことがある。
肝の気を巡らせる機能を保つには肝血が必要でそれを逃さないのに収斂をしてくれる酸味を好む事がある。肝血虚(正虚)
また発散させることで肝血も消耗してしまう辛味を嫌うこともある。
肺
肺は気を巡らせる臓、辛味で発散すると気が巡るので辛味を好む事がある。気滞(邪実)
また収斂してしまうことで気の巡りを阻滞させることもある酸味を嫌うこともある。
肺は嬌臓(きょうぞう)であり、乾燥を嫌うので、潤いを消耗する。辛味を嫌う事がある。肺陰虚(正虚)
また収斂することで潤いを保ってくれる酸味を好むこともある。
心
心は陽中の陽と言われ、場所的にも臓腑の性質的にも陽な臓(心臓のポンプ機能と共に精神活動などもになう)、熱邪の影響を受けやすいので、熱を清してくれる 苦味を好む事がある。
もちろん心以外の臓でも熱邪がある場合は苦味を好むことはあります。
熱邪・火邪(邪実)
前記の様に陽な性質の心の陽が不足している状態は他の臓腑の陽も虚している可能性が高く危機的な事も多い(最終防衛ラインのイメージ)そんな時は陽を奪う苦味を嫌う事がある。心陽虚(正虚)
腎
腎は潤いの根源、体の浸透圧をコントロールしています。
浸透圧はアミノ酸と塩類(ミネラル)で調整されているので、アミノ酸が不足するとそれを補填するタメに塩味 を好む事がある。腎陰虚(正虚)
またその潤いを保つ塩味の性質上、肺や肝など他の潤いが必要な臓の潤い不足でも塩味を求めることもあります。
腎が痰湿をうまく排出できない場合は浮腫を作る塩味を嫌う事がある。痰湿(邪実)
また津液の循環に関わる脾・肺・腎の機能低下がある場合も塩味を嫌うこともあります。
脾
脾は胃腸機能の事、脾気が足りないと即席で補ってくれる 甘味を好むことがあります。
間食が多い人もこのタイプが多い。脾気虚(正虚)
また脾は身体の中央にあると考え他の臓腑に気血津液を供給すると考えますので、脾の不調は全身に波及します。
ですので他臓の不調によっても甘味を求めることがあります。
ストレスを感じると肝が大量の気血を要求しますので甘味を欲しがります。
心は喜びを求めるので幸福感を与えてくれる甘味を欲しがることも。
胃腸が弱ると痰湿と言うむくみの様な物を作り出しやすくなりますので痰湿を増やす甘味や脂っこい物を嫌う事もあります。痰湿(実邪)
肝の不調で甘味を求めた場合、脾が弱っていることが多いので、甘いもの食べたくなったが実際に食べると気持ち悪くなるとのことが多いです。
肝脾不和といった状態です。
また痰湿と潤いは紙一重ですので腎陰・肺陰の不足を補おうと甘味を求めることもあります。
で質問があった内容
酸っぱいものが凄く苦手なんですが
甘酸っぱいは大好きなんです
甘い物は気を補います
酸味は気の巡りを悪くする訳ですが
元々の気が足りない為に巡りが悪くなるのがつらい場合
補いながら収斂するので体質に合っているのでは。
ここから先は勉強会で話せなかった内容→
甘味は作用をマイルドにする働きもあるのでそれにより
酸味の効果のバランスが良くなっている可能性もあります。
酸味の反対の働きは辛味ですから
酸っぱ辛い物もよいと思いますが
辛味は気も発散してしまうことが有るので甘酸っぱい好きには合うのか試してみてもよいかもしれません。
目の状態で全身が診える五輪学説とは
中医学 には五輪説との考えがあり
目の虹彩は肝
目の両端の赤い部分(目尻・目頭)は心
目の回り(まぶた・涙袋)は脾
目の白目は肺
目の瞳孔は腎
が影響していると考えます
目は肝だけでなく様々な臓腑が関わるというのがわかります。
肝
は虹彩にかかわると考えます。
虹彩は瞳孔の大きさをコントロールしています。
瞳孔の大きさは自律神経でコントロールされていますから目の中でも最も肝の影響の大きな部分だと言えます
またピント調節なども肝が関わると考えています
心
は目尻、目頭に関わっていると考えます
目尻・目頭は、血管が表面まで見れるところ
舌と同じですね
さらには上焦に位置するので心の影響が分かり易い場所と言えます
目尻などの痒みに心火を取る黄連などを使うと有効な事も多いんです
脾
は目の周りは関係すると考えます
まぶたや涙袋などですね
また目の周りは顔とも考えられますね
中医学では
顔色悪く黄色い事を萎黄と言い脾が弱いと考えます
肺
は白目の部分(強膜)に関係が深いと考えられます
強膜はコラーゲン主体の成分で出来ていて、眼球の周囲を守っている膜です
肺は皮毛(身体の表面)を主ります。
ですから表面の膜!理にかなっていますね。ドライアイの方の場合
補肝腎の杞菊地黄丸より
肺陰を補う麦門冬湯の方が有効な場合があるのもこのため
もちろん他の随伴症状などで使う漢方はこれら以外にも多くあるので一例です
ぜひ漢方相談をオススメします。
腎
は瞳孔に関わっていると考えます
瞳孔は目の一番奥の部分が見えるところです
腎は生命の根源のエネルギーを蓄えているので納得ですね!
人間は瞳孔が開いてしまうと亡くなってしまうと言いますしね。
黄斑変性などの眼底の問題へのアプローチに
補腎の漢方を使うことが多いのもこのため
また網膜は微細な血管が多いため
血流改善の漢方を併用することもあります。