オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

子午流注で臓腑の繋がりを考える

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子午流注

経絡は肺から始まると考えられています。

これは肺が全身の気のコントロールに関わり

百脈に朝すと言われるところに通じるところがあります。

朝血圧が上がるのもこれから身体を動かしていくのに備えている部分が大きいです。

逆にこれが出来ない人は朝起きるのが苦手だったり、動悸がしてしまったりすることもあります。

また肺と対角線上にある膀胱は要らなくなった体液を排出する部位

全身の津液の巡りに関わる肺との関係は深い。

麻黄などの生薬は肺と膀胱に帰経があるのも納得です。

過活動正膀胱などに麻黄が入った漢方を応用することも出来ます。

 

大腸

肺と表裏の関係にある大腸は肺の気を下に下ろす力によって排便機能を維持しています。

ですので肺の弱りやすい秋には便秘の人が増える傾向にあります。

また排便には対角線上にある腎の力も影響します。

「腎は二陰に開竅す」と言います。

また腎の時間に食事をすることで大腸の時間にしっかり排便できることにも繋がります。

またこの時間に排便したいと感じたら優先順位を高くしてしっかり排便するべきです。

1度タイミングを外すと便秘になってしまうこともあるからです。

 

胃は大腸と同じ陽明経に属します。

胃は食べ物が入るところ大腸は出るところですから、大腸につまりがあると食欲の低下などにも繋がることもあります。

また詰まると瘀熱といった熱も生まれることがありそれが胃に入ると過食傾向になることがありますが大腸が詰まっているので結局多くは食べられないや詰まりがさらにつらくなることもあります。

この陽明経の問題がある場合は承気湯類を使ったりします。

また胃と対角線上にある心包と胃は近いので胃の熱は心包に移りやすいので睡眠の質にも関わります。 本当は腎の時間帯に食事は取りたいものですが実際は難しいですよね 遅くなる場合は、より過剰に食べ過ぎないように注意しましょう

 

脾胃は表裏の関係にあります。

脾気と胃気は完全に分けることが出来ません

胃は食べ物を入れていきそれの処理の部分が脾と考えると良いですね。

なので胃の機能は脾が下支えしているとも言えます。

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脾は身体の中心と考えますので冷やすのは良くないです。

また脾と対角線上にある三焦は気血津液が通る通路です。

気血津液は脾が作り出しますから三焦と脾の関係は深いと言えます。

ですので三焦が詰まってしまうと脾も上手く機能しなくなることがあります。

少陽病と言われる状態ですね。

こういった時に食べる気はしなかったが少し食べると意外と食べれてしまうということが起きることがあります。

脾から気血津液が供給されることにより三焦が通り始めるからです。


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脾と心の関係は相生

脾の機能は心血に支えられその心血を生み出すのは脾です。

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帰脾湯は脾を整えそれにより心血を作る処方ですね。

脾(子供)から心(親)に帰っているわけです。

心は心臓のポンプ機能だけでなく精神活動にも関わっています。

日中は最も精神活動が活発な時期でもあります。

また真夏の正午は最も一年のうちで最も陽が充実する時期ですので、その時間帯に少し陰を取ると体調に良いこともありお昼寝などをお勧めすることもあります。

陽中求陰ですね。

もちろん寝過ぎますと夜寝れなくなりますので適度な睡眠で、寝すぎてしまう人なのは寝る前にコーヒーなどを飲み、ちょうどコーヒーが効いてきて目が覚めるなど良い方法です。

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また心と対角線上にある胆は、精神活動や決断などに大きく関わる臓腑です。

心気が弱ると胆も弱り心胆不寧と言われるような状態になりますので悪夢を見るようになったり決断がしっかり出来なくなってしまったりします。

また心気を支えているのは心血で心血をしっかり養うには胆の時間にしっかり寝ておくことが大切です。

 

小腸

心と小腸は表裏の関係にあります。

ですので心の熱は小腸に移りやすいです。

小腸湿熱による膀胱炎などを治療するのに清心蓮子飲などが使われるのはこのため。

また小腸経の経絡は肩周りに走りますので肩こりなどに影響することも多いです。

この時間帯に肩を動的ストレッチするなども良いかもしれません。

冠元顆粒などが肩こりに良いのもこの経絡の関係などを考えるとより面白いと思います。

また小腸と対角線上にある肝は胆汁の生成に関わります。

胆汁は小腸の十二指腸部分から腸管内に分泌されます。 

ですのでSIBO(小腸内細菌異常増殖症)なども肝の疏泄の以上と大きな関係があります。

 

膀胱

小腸と膀胱は同じ太陽経に属しますので小腸の時に書きましたが小腸の湿熱は膀胱に移りやすい。

これは小腸が食べ物を必要なものといらないものに分別しいらないものを膀胱から排出すると言った仕組みにも由来します。

また膀胱経は小指の先から頭のてっぺんまで背面を大きく走っていますので、上下の体のバランスなどにも大きく関わっていたりします。

ふくらはぎなどをマッサージすると高血圧などにも良いのはこのためだったりもします。

ですのでこの時間に背伸びをしたりふくらはぎのマッサージをするのは良いことだと考えられます。


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腎と膀胱は表裏の関係です。

腎は膀胱の働きをコントロールもしています。

また腎は排尿などの体液コントロールだけでなく、生命の根源であり身体自体であるとの働きももっています。

ですので腎は成長と共に発達し老化と共に衰えます。

しっかりした身体作りにはこの時間の食事も大切です。

補腎漢方薬を1日1回のみ飲むならこの時間帯をススメたりすることもあります。

 

心包

腎(命門)に宿る火は心の君火を心包が相火として受けとり三焦を通り命門に宿るとの考えがありますので、心包と腎の関係は深い。

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心は心臓のポンプ機能と精神活動をにないますが、心包はよりポンプ機能の側面が強いです。

ですので身体の巡りに大きく関わります。

 

三焦

脾が取り込んだ気血津液が通る通路が三焦です。

ですので全身に血液を送り出す心包との関係は深い。

この時間帯には横になり重力の束縛から解き放つのが大切です。

 

胆と三焦は同じ少陽経に属します。

肝の精気から化生した胆汁を貯蔵しています。

また胆汁の分泌は肝の疏泄作用によってコントロールされ脾胃の機能を助けます。

胆汁は腸管内で循環をしていていますので、全身の循環に関わる三焦とのつながりもあると考えられます。

 

胆と肝は表裏の関係

肝胆の時間に睡眠を取ることは血の充実にも繋がります。

肝と肺は共に気の巡りに関わります。

肝は脳の司令の要素が強く

肺は身体側の動きの要素が強いです。


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血脈を主る

これは西洋医学で考えると心臓のポンプ機能とともに血管などの状態も心が関わっていると考えています。

神明を主る

こちらは大きく西洋医学と違うところで、精神活動なども心が行なっていると考えています。

東洋医学は観察医学なので精神状態が動くことによって脈拍数などが大きく変化することからこのように考えたのかもしれません。

西洋医学では精神活動は脳がすると考えますが、脳は大飯喰らいですからその機能を維持するために心臓に多くの血液を要求することは当然だと考えられます。

 

中医学でいうところの心とは、西洋医学でいうところの心臓と共にそれに対して指令を与える脳の部分も含めていると考えるのが自然です。 

また心気とは心血があることで成り立つと考えるので完全に分けて考えることが出来ず心気を補うには心血も一緒に補わなければなりません。

心と表裏の関係にあるのは小腸と考えられています。

小腸の問題としてよく上げられるのが小腸湿熱ですこれは膀胱炎、リウマチなどにも関わり過剰な熱反応のことを指していたりするので、小腸のパイエル板などのことも指しているのかもしれません。

気を主り呼吸を司る

呼吸に関しては西洋医学でいう肺とほとんど同じと考えて良いと思うのですが、 気を司るというところは呼吸のリズムなどによって自律神経などがコントロールされ体の巡りにも大きく関わっているというところを含めて肺の機能であると考えているのだと思われます。

宣発・粛降を主る・水道を通調する

これに関しては汗を調整したり体表の血管の拡張縮小などをすることから、体液を全身に循環させることなども含まれている概念です。

合は皮毛である

体表に大きく関わっていると考え外からの邪に対して防衛機能などを示すのも肺だと考えます。ですのでこれは西洋医学でいうところのリンパなどの免疫系なども含んでいます。 

中医学でいうところの肺とは、西洋医学でいうところの肺の呼吸機能以外にも自律神経の調整であったり、リンパなどの体液循環、免疫機能なども含めたものと考えるのが自然だと思っています。 

肺と表裏の関係にあるのが大腸だと考えられています。

これは身体の表面(外と接する場所)との共通部分もあるのかもしれません

ですので表面が乾くと肺も乾くし大腸も乾きます。

運化を主る

運化とは食べ物を食べてそれを分解吸収し再構築分配することを指します。

これを西洋医学的に考えると、小腸などから栄養素・水分を吸収しそれを肝臓が分解再構築したりすることを指していると言えます。 

またこの機能がうまくいかない時は痰湿を作り出すと考えるのですが、痰湿とはうまく巡っていない機能していない体液のことを指しますので、西洋医学でいうところの悪玉コレステロールであったり、必要以上の血糖、尿酸などは痰湿に分類されると考えられます。

コレステロールを合成したりするのも肝臓ですからこの部分でも中医学でいう脾とは西洋医学でいう肝臓は近いものであるのが分かります。

血糖値をコントロールしているのが膵臓でありその側面からは中医学でいう脾は膵臓の機能も指していると考えられます。

生血・統血する

脾が正常に機能すると気血が充実するので気が血を漏らさないことができると考えます。

これは西洋医学的にも長期間抗生物質などを飲み続けた人はビタミンk の不足など起こし出血傾向が出ることが分かっています。

ですので統血とは血小板などの出血時に血液を止める機能のことを指しているとも考えられます。

そして血小板に大きく関わるのが脾臓(西洋)体の30%くらいの血小板が貯蔵され出血時などに使用されます。

また血小板の成熟に必要なのが肝臓(西洋)なので肝臓が弱ると出血しやすくなります。

そして血小板の元を作り出すのは骨髄ですからこれも中医学での脾・腎の関係を表していますね。

ですので胃腸機能を整える漢方を使って統血を良くすることもありますし、四物湯などを使って血を充実させることによって止血することもあります。胃腸の機能を良くする部分と血を補う部分 合わさった統血の薬といえば帰脾湯が思い浮かぶと思います。

帰脾湯とは胃腸補う薬と血を補う薬が合わさっておりますが他のそういった漢方と違い気血のめぐりを強く巡らせるものを極力入れないで出血を抑えるの構成となっています。

脾と表裏の関係にあるのが胃だと考えられています。

胃は消化の始まる場所ですから胃腸機能である脾の表裏なのはわかりやすいと思います。また陽明胃経は身体の前面を走っておりその部位の筋肉の充実にも関わっています。

疏泄・条達を主る

これは肝が気の巡りなどに関わると考えるのですが、 この機能は何かと西洋医学的に考えると脳の機能であると考えたほうがわかりやすい部分の方が多いです。

西洋医学的にもストレス いたりすると胃腸機能が低下したりするのは分かっていることですし、 ストレスが強くなると交感神経優位になりそれにより末梢血流の低下なども分かっているところです。 

また肝の経絡の流注や梅核気や胸脇苦満といった肝の不調から起こる症状を考えますと、迷走神経と関わっているところが大きいと考えることもできます。迷走神経は 内臓運動の調整と消化液の分泌に関わっておりさらには外耳と咽頭部の感覚にも関わっています。また横隔膜の動きにも関わっていますので、迷走神経の不調は胃腸の不調につながりこれは肝脾不和などで説明がつくところであるかと思います。また肝の不調は胸脇苦満と言った胸の辺りの緊張感に関わってきますので声は横隔膜に関わっているところから推測できる部分でもあります。梅核気などの器質的に問題はないが喉に不調を感じるのものどの部分の感覚に迷走神経が関わっていることが容易に推測ができます。迷走神経は脳幹部と言われる生命の維持にとても大切な部分から出ている神経です。ですので肝の機能は脳の本能的な生命維持の部分に関わる部分が大きいと考えるのが自然です。

また肝の働きを考える時に他の機関を切り捨てても脳を守ろうとしていると考えられるところが多くあります。

ですので脳を多く使うストレスを感じたりすると血圧を上げる事によって脳に届く血流量を増やそうとしたりするのです。

肺も自律神経に関わるところが大きいと考えられますが、より脳を守ろうとする部分は肝であり全身の機能を維持しようとするのが肺と考えることもできるかと私は考えています。

またくくり方を変えると体の部分の気の巡りは肺、脳からの指令は肝と捉えることもできるかと思います。これはどのの部分で切り分けるかで状況が変わってきますが東洋医学という考えはこの辺は柔軟に切り分けて考えていきます。

ですから自分で考える時にどの部分の階層で考えている顔考えていないとむしろごっちゃになってしまうので注意して欲しいものです。

血を蔵す

肝は血を蓄えて必要な量をうまく分配する機能があるとも考えられています。

西洋的な臓器でこのようなことをしているものを何かと考えますと脾臓が考えられます。

人間の脾臓はそこまで大きく血流のコントロールには関わっていないですが、クジラなどの場合は深海から浅瀬まで圧力がとても変わる環境での血液量のコントロールをしないといけないので脾臓がとても発達しており、深海に入った時は末端の血液を寄贈に集めることによって圧力に耐えるなどもしています。

また細かな血液の分配に関わっているのは細動脈などの筋性動脈でこれらの拡大縮小により血流の細かなコントロールをしています。これらのコントロールをしているのが自律神経だったりもしますので、血管と自律神経の両方の部分を合わせて肝ということもできるかと思います。 

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肝と表裏の関係にあるのがだと考えられています。

ストレスが多いと胆汁の逆流で口が苦くなることもありますので肝との関係は密接です。また経絡的には身体の側面を走行するので身体を撚るなどの動作に大きく関わります。また三焦経とともに少陽経に属し半表半裏の不調とも関係します。

 

水を主る

これに関しては西洋医学でいう腎臓の機能である尿を作って排泄するといった部分がそのまま当てはまるかと考えています。 

 精を蔵し、生殖・発育を主り、先天の本である

広い意味相手の精は体の実体そのものであることで、脳を含めた全ての体のものとしての部分を腎として考えることもできるのです。

体はいずれ老化し朽ち果てていくっていうところを腎として表していると考えても良いかと思います。 

腎は、作強の官、伎巧ここより出づ

細かな作業を精密に行うには腎の充実が必要とのこと

この部分は肝の

疏泄・条達を主る

に通ずる部分がありますがどちらかと言えば腎の方が物質的充実、肝の方が機能的充実のことを指していると考えるとわかりやすいですね

肝気>肝血>腎精 より陽

肝気<肝血<腎精 より陰

腎と表裏の関係にあるのが膀胱だと考えられています。

尿の排泄だけでなく、身体の上下のバランスにも大きく関わっています。

 

ここまで書いたように六腑は陽に属するので経絡上に反応が出やすいとも感じます。

また観察医学である中医学でも腸管の動きなどは外部から観察しやすく比較的西洋医学での胃・小腸・大腸・膀胱などに近いものと考えられるかもしれません。

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気血津液

五臓とともに大切なワードとして気血津液がありますねこれに関しても西洋医学でいうところの血液やリンパなどと混同する部分も多いかと思うのでお話しさせていただきます。

この中で一番間違えられやすいのは血ではないでしょうか?

血液と同じものと考えられがちです、ですが心血や肝血の働きを考えてみると、精神状態などにも大きく関わり神経繊維そのものの質のことも指していると考えることもできますし、血液は脳を循環し脳が持ってしまった熱を体中に分散する働きも持っています。この機能を中医学で考えると血の働きではなく津液の働きとして考えます。 

ですので血液の中の栄養を与えたりする部分を血と考え体の潤いであったり熱のコントロールなどに関わる部分を津液と考えることが必要です。

また津液は血液だけではなくリンパ液などの体中の体液のことも指しているのでそこも見落とすません。

気に関しては西洋医学ではないワードなので混同はしにくいと思うのですが、体の動きや熱エネルギーそのものですので様々なものを表しています。例えば血が巡って動いているのも気の働きですし、激怒したりして「頭に血が上っている」というのもよく聞くかと思うのですがこれも脳が栄養を求めるのでそれに対して血圧を上げて血液を上に上げていることを指しています。これを中医学で気の上逆と言いますので気の動きとして捉えているのです。

また生理前などに気の巡りが悪くなると胸が張ったりすることがあるのですがこれは西洋医学で考えるとホルモンの関係で胸の部分に浮腫が生じていると考えることができます。むくみと言うと痰湿と考える場合も多いとは思うのですがこの場合はホルモンによって一時的に詰まっているだけでそれが治るとすぐ治るわけですから気が詰まっていると考えるのです。

外感邪とウイルス・細菌

外感邪(六淫などと呼ばれる風・寒・暑・湿・燥・火の邪)をウイルスや細菌などと一緒にしてしまっている人も多いと思います。

ですが実際は全くの別物です。ウイルスや細菌が体に入ると人の体では変化が起こります。これらの変化について論じたのが外感者です。

ですからどんなタイプのウイルスや細菌が入ったなどは大きな問題ではなくその人にとってどのような変化が起きているかの方が大切なのです。

またリウマチなどの自己免疫疾患なども体のバランスが狂って怒ってくる症状ですので、 中医学では外感邪として考えます。

風寒湿邪や風湿熱邪などが経絡上に詰まって痛みなどを起こすのが一つの原因と考えるからです。

風邪とは体の中で起きる大きな変化のことを指しています。ですので大きな寒暖差などが起きた時に特に発生しやすく、他の者を一緒に引き込むことも多いと言われるのです。

外部からの変化に影響を受けやすいのは体の元々の体質が弱いというところもあるのでそこも考慮してどのような外感邪が関わっているか推測することも大切です。

では内生の邪とはどう違うの?となるかもしれません

実は完全に分けるのは出来ないと私は考えています

出だしが外部の環境変化が大きいのか?

食生活やストレスなどによるものが大きのか?

などの違いであるのと

より外側に関わる肺や腑、経絡が関わっているか?

内側の肺以外の臓な関わっているか?

などの違いだと考えて下さい。

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問診をする時まず

一番つらいことを聞きます。

この方の場合

だるさ、体力のなさ、不眠

そこから考えられる体質をまずイメージしますが出来る限り

虚実どちらのパターンも捨てずに考えるのが大切

八綱弁証(陰陽・虚実・寒熱・表裏)

気血津液弁証

で全体像を把握します

だるさ、体力のなさ

不眠

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六君子湯*1補中益気湯*2、加味帰脾湯*3柴胡桂枝湯*4炙甘草湯*5天王補心丹*6四物湯*7、加味逍遥散*8杞菊地黄丸*9、六味丸*10、八仙宝寿丸*11、知柏地黄丸*12、柴胡清肝湯*13、苓桂朮甘湯*14、消風散*15、人参湯*16、白虎加人参湯*17抑肝散加陳皮半夏*18・甘草瀉心湯*19苓甘姜味辛夏仁湯*20

平肝熄風

風池・内関・太衝・合谷(瀉法)

三陰交・大谿(補法)

  • 風池は手足の少陽と陽維脈の会「輸」穴の太衝と組み合わせる
  • 内関は心包ので絡穴で絡脈が三焦に別走するので調気開鬱と降逆安神を行うことができ血圧に対して両行性の調整作用を持っている。太衝・三陰交の組み合わせは平肝熄風の力をさらに強めることができる
  • 陽明大腸経の原穴で頭部顔面の風熱を清すのに適する
  • 四関を頻繁に瀉すと瀉熱潜陽・平肝熄風の効果がある
  • 大谿は腎経の輸穴、三陰交は肝・脾・腎の会なので腎水を補い柔肝をはかることが出来る。

滋腎平肝

風池・太衝(瀉法)

腎兪・大谿・三陰交(補法)

  • 腎兪・大谿・三陰交は腎陰を壮んにして肝陽を制する

益気健脾

脾兪・気海・中脘・足三里・陰陵泉(補法お灸も)

  • 脾兪・気海の組み合わせで健脾益気に働く
  • 脘・足三里調運昇降と扶土和中に働く
  • 脾の合穴である陰陵泉を組み合わせると運脾利湿をはかり肢体の浮腫にも有効

 

中医針灸学の治法と処方(弁証と論治をつなぐ)東洋学術出版より抜粋 

 プラスで考慮したいツボ

百会

  • 益気昇提をする 

 

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*1:補気健脾・和胃降逆・理気化痰

*2:補中益気・昇陽挙陥・甘温除大熱

*3:益気補血・健脾養心・清熱解欝

*4:和解少陽(通調少陽枢機・達邪外解)解肌発表・調和営衛

*5:益気滋陰・通陽復脈

*6:滋陰養血・補心安神

*7:補血調血

*8:疏肝健脾・和血調経・瀉火

*9:滋腎養肝・明目

*10:滋陰補腎・瀉火

*11:滋腎潤肺・平喘止咳

*12:滋陰降火

*13:清熱解毒・去風排膿・養血

*14:温化水飲・健脾利湿

*15:疏風養血・清熱除湿

*16:温中散寒・補気健脾・温陽摂血

*17:清熱生津・益気

*18:平肝熄風・疏肝健脾・化痰

*19:開結除痞・調和脾胃・寒熱併調

*20:温肺化飲

相剋→相生→相剋の三角形②

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今回は

心→肺→腎→心のつながりについて書いて行こうかと思います。

心→肺

相剋→相生→相剋の三角形① で書いたように

心と肝は共に西洋医学でいうところの脳の働きの部分もあり

似ている部分もあるのですが、どちらかと言うと本能的な部分の脳の働きである肝に対し心は精神活動や思考などに関わる脳の働きと言えます。

また心のもう一つの働きは西洋医学でいうところの心臓の機能と言える部分もあり、体中に血液を送り出すポンプとしての機能も持っています。 

ただ脳は最も体の中で血液の栄養を必要とする臓器でもありますから、脳が活発に働くことは直接心臓のポンプ機能の機能亢進にも繋がります。

ですので昔の人は精神活動と心臓のポンプ機能が連動していると考えたのかもしれません。

まず心が弱る原因として考えられるのは、過剰な精神的なストレスなどや睡眠不足などが考えられます。

また肺の呼吸機能は、心から送り出される血液によって維持されている部分が大きいです。

ですからそれが減ってしまうと肺も弱ってきます。

ですがその血液に酸素を与えているのは肺だったりするので、少し複雑な部分ではあります。

また心のポンプ機能以外の部分が弱った時にも肺が弱ることがあります。

精神的な機能の弱りの場合、脳がより栄養を求めるわけですから、肺からの酸素をより要求し呼吸がむしろ浅く早くなってしまうことも。

ですから心が弱ったことによって肺が弱ってしまった場合のケアとしては、精神的なストレスを減らしたりしっかりした睡眠をとりつつ、深呼吸なども意識していくこれはこれから書く、腎の部分にも繋がります。

このような部分の心・肺・腎の三つの臓腑の関係が気管支喘息や心臓喘息などの症状として考えられるかもしれません。

また心の機能が亢進しすぎると熱を持ったりしますので、体の潤いを消耗してしまったりもします。

潤いがとても大切な肺はそれによって弱ってしまうことも考えられます。 

肺→腎

肺は大気から気を取り込み、それを腎に納めるという作業をします。

ですから肺が弱ってしまうと腎も弱ってしまいます。

この部分でも深呼吸などが良いのがわかるかと思います。

また腎は体の潤いの根本であると考えられ、体の表面の機能に関わる肺は外部からの乾燥などから体を守っているとも言えます。

ですから肺の機能が低下しますと、表面から身体全体の潤いまで減ってしまいますので腎の潤いも次第に消耗して弱ってしまいます。

また肺は全身の気血津液の巡りにも関わっている臓腑で、腎は最終的に入らなくなった尿などを排出する臓器ですから、途中の巡りが悪くなってしまうことによって腎が弱ってしまうこともあります。

排尿などの問題があって腎のケアでうまくいかない場合に肺のケアをすると良くなったりするのもこのためです。

腎→心

先ほどにもお書きしたように腎は体の潤いの根本であるという考えがありますし、身体や脳自体であるという考えもありますので、 

腎が弱ると脳自体が弱ることによって脳の考える力なども低下します。

脳の考える力とは心の機能だったりしますので腎が弱ることによって脳も弱ると考えられるのです。 

また脳は大きさからするととても大きな熱を発散する臓器です。

ですのでその脳を冷ますにのに脳の周りだけからでは足りなく全身を使って脳の熱を冷ましている部分も大きくあります。

これを東洋医学的に考えると心腎交通というのです。

腎の機能が低下するとこの脳を覚ます機能が低下しホットフラッシュのような状態が起きてしまったりします。
 

こちらも参考になるかと思います。

また腎の機能としての排尿システムとしての仕組みは心から送り出される血液によって支えられている部分も大きく、腎臓の機能がうまくいかない場合により血圧を上げることによってそれを補おうとしたりすることもよくあります。

ですので腎不全などの状態の時に血流改善の漢方薬などを使うのが有効なのが分かるかと思います。 

またこの心と腎の関係の調整をしている部分での肺の巡りの機能は大切ですので、 その部分の調整する意味合いとして黄耆などの生薬を使うこともよくあります。

相剋→相生→相剋の三角形①

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現代人に多いストレスに起因する三角形について書こうと思います。

肝→脾→肺→肝のつながりですね。

肝→脾

まず肝という臓は体の気の巡りをコントロールするのにとても大切な臓腑で、西洋医学でいうところの中脳・間脳・小脳・延髄といったような生命維持のために必要な指令を与える脳の機能と考えることもできる部分です。

ですので怒りや不安などの感情を抱いのストレスを受けて、不調を示しやすい臓腑でもあります。

また東洋医学での心と言われる思考を司ったりする部分(西洋医学で言われる大脳辺縁系などの部分だと考えられます)を守るために暴走してしまったりする臓腑でもあります。

ですので人間はストレスを感じたりすると肝が気血などの必要なものを要求することが大きくなります。

その気血を作っているのは脾(西洋医学でいうところの消化機能)です。

脳の司令としてはいくらでも要求できるのですが、胃腸は物理的な制約がありますからすべてに答えられるわけではありません。

ですから処理しきれなくなれば自然と脾は弱ってしまいます。

一番分かりやすいのでは便秘や下痢などだとは思います。

下痢は処理しきれずに出ていると考えられますが便秘はなぜと思う方も多いかと思いますこれについては以前にも書いているのでこちらを参照してください。 

脾→肺

また脾は正常に機能していると気血をしっかり作ってくれるのですが、うまく機能しないと痰湿と言ううまく巡っていない体液のようなものを作り出してしまいます。

中医学的意味合いでの肺の機能は呼吸だけでなく体中の気血のめぐりのコントロールをしていますし、津液と言ううまく巡っている体液のコントロールもしています。

痰湿は巡っていない体液と言いましたからこれが増えてくると肺の津液を巡らせる機能も低下してしまいます。

さらに肺には脾が食べ物から作り出した気血に呼吸をすることによって大気の気をさらに加え機能させる機能もあります。 

この部分でも脾からの気血の本来の供給ができなくなることによって問題が起きてくることが考えられます。

肺→肝

また肺も気の巡りに大きく関わると今お話ししていますが、最初に肝も気の巡りが変わるとお話しさせて頂いてますね。

肺は身体側の動きとして巡りをコントロールするのに対し、肝は脳の司令として気の巡りをコントロールしていると考えることができます。

これらはお互いに上手く巡ることによって更に機能するものであって、片側がうまくいかなくなるとより上手く巡らなくなることが考えられるのです。

 

こちらで書いたような部分ですね。

ですので身体側がうまく機能しなくなってくると脳の側はその帳尻を合わせようとますますうまく巡らせることができなくなってくるという悪循環が起きると考えられます。

心因性疼痛を中医学で考える

心因性疼痛などと言うと気のせいでの痛みと思う方も多いかと思いますが

ヘルニアなどの物理的な痛みがあった方がその状態が治ったのに痛みが続くような場合は

その長期の痛みによって、脳の機能異常が起こり痛みに過剰に反応してしまっているなどと考えられます。

ですのではこれは気のせいなどではなく実際に痛みを感じる症状であります。

ですので西洋医学では抗うつ薬などを使ったり行動認知療法などによって脳の機能の正常化を図るというようなことをします。

ですが診断としては物理的な問題が発見できない場合に心因性疼痛の可能性が高いと判断するわけです。

まだ分かっていないような原因あるかも知れないので、それで全てが解決するとは考えられないかもしれません。 

では中医学で考えた場合このような状態はどういった状態を指すのでしょうか?

まず外部からの痛みなどか実際に起きる状態としては外傷やヘルニアなど実際の器質的な問題から始まるかもしれません。

そうすると人間の体の巡りは阻滞されますので、痛みを感じます。

中医学では部分的なつまりがあると痛みが生じると考えます。

ですから人間の体はそういった状態が起きないために常に巡りを維持していなければいけないわけです。

その機能を担っているのが肺と肝になります。

肺は特に身体側の動きとしての巡りを良くする働き

肝は脳側の司令としての体の動き巡りを良くする働き

をそれぞれになっていると考えています。

ですので最初の段階で問題を受けるとしたら肺の部分なのでしょうが、

体がスムーズに動いていないと脳の方もそれに合わせなければいけなくなってくるので機能がおかしくなってしまうことがあります。

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中医学では肺と肝は相剋の関係と考えられお互いに抑制し合う関係だと考えます。

この流れで行くと西洋医学で言われている心因性疼痛の仕組みととても似ているのが分かると思うのです。

ですので肺と肝を整えて気血のめぐりを本来の形にしてあげれば痛みが取れるとも考えられるのです。

ですが今お話ししたようなことが肺→肝と問題が進んでいったと考えると、さらに病状が進んでいく可能性も考えられるのです。

先ほど肺・肝が相剋の関係であると言いましたが、肝と相剋の関係にあるのは脾なります。

ですのでこのような状態が続くと脾のほうにも問題が進展していく可能性があります。

脾とは西洋医学でいうところの胃腸の消化機能などのことを指すので、脾が弱ると気血を作ることができなくなります。

肺・肝の機能も脾が作った気血に支えられているのでより病状が進展するとも考えられますし、脾は体に大切な気血を作るとともにうまく機能しないと痰湿と言う機能していない体液のようなものを作り出してしまうと考えられます。

痰湿は機能していない体液のようなものですから体中の色々な場所に詰まりを作り出します。 

その詰まった部分が経絡であれば体への痛みを感じることになります。

こういった場合の痛みのケアとしては痰湿の原因となっている脾のケアとともに脾に問題を起こした肝へのアプローチも考えなければなりません。

どちらに対して強くアプローチするかなどはその時の状態によって細かなさじ加減が必要になります。

また脾と肺は相生の関係であると言われ脾が弱ると肺の機能をしっかり維持することができなくなると考えます。

その部分からも体の気血のめぐりが悪くなる可能性があると言えるのです。

ですので今までお話ししたように肺・肝・脾などの臓腑などや問題残っている経絡へのアプローチをしていけば痛みへの改善が期待できるのが分かるかと思います。 

また中医学でいうところの心に関する話が今回出て来なかったのは、心は精神活動の中心で思考を司っていますが、西洋医学での説明でしたように本人が痛い痛いと思っているというよりは脳の方が勝手に痛みを感じるような状態になってしまっていると考えられるので理性的に考える部分より本能的な部分や無意識の部分の方が大きいと考えられるからです。

偏頭痛を中医学で考える

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このある病気とは偏頭痛のことなんです

そして第2位の原因とは強い光

とのことでした番組中ではこれらの原因を避けるのが一番効果的とのお話でしたが

中医学的に偏頭痛を考えるとどうなるのでしょうか?

偏頭痛という名前が表すように頭の片側側面が痛くなることが多い頭痛です。

そのような特徴を中医学で考えると、側面に影響する経絡を考えることになります。

頭の側面に影響の多い経絡とは少陽胆経・少陽三焦経になります。

偏頭痛が起きる場所から中医学的な名前をつけると少陽頭痛ということになります。

これはあくまで場所での名前ですので、なぜ少陽経に問題が起きているのかは様々な原因が考えられるのです。

少陽胆経・少陽三焦経と表裏にある臓腑を考えると

少陽胆経↔厥陰肝経

少陽三焦経↔厥陰心包経

肝と言う臓腑は気の巡りをコントロールする臓腑と考えられますので精神的ストレスなどを受けると悪影響を受けやすいと考えられます。

また心包と言う臓腑は心の周りを守る臓腑と考えられ心と共に心肺機能に関わっていると考えられます。 

ですのでこれらの部分に問題がある時に側頭部に頭痛が起きやすいと考えることもできます。 

また肝の働きとは外部からの精神的ストレスだけでなく光などによるストレスから脳を守ろうとする働きであると考えられます。

それが過剰に反応してしまうと頭痛になると考えることも出来ます。

そしてこれらが過剰に働く理由としては

過剰なストレス(精神的・肉体的どちらも)もしくは

そこまで強くないストレスでも反応してしまう身体の余裕の無さ

の2つもしくはそれらの組み合わせも考えられます。

中医学で言えば

過剰なストレス→肝火上炎

強くないストレスでも反応してしまう身体の余裕の無さ→肝陽上亢

となりますこれらは完全に切り分けることは出来ずそれらの問題の大きさにより対応の方法を調節します。

西洋医学的にも偏頭痛の原因は脳血管の異常な拡張であると考えられますから脳が自己防衛のために過剰反応していると考えるのは矛盾がありません。

また脳に血を送り届けたりするのは心と心包の働きですからここの過剰反応と考えてもよい部分もあると思います。

またストレスを受けてすぐには頭痛にならず落ち着いてから出る場合などは気虚なども絡んでいることが多いです。