オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

陽明胃経の流注について

chinese-medicine.hateblo.jp 陽明大腸経の迎香から始まる経絡です 表裏関係にある脾とともに嗅覚に胃経が大きく関わっているのが分かると思います。 陽明胃経身体の前面を流れる気血の充実した経絡で 女性の妊娠に大きく関わる衝脈・任脈も前面を走行してい…

太陰脾経の流注について

太陰脾経は足の親指の親指側の隠白から始まります ちなみに厥陰肝経は親指の小指側の太敦より始まり 脾と肝の経絡のバランスが悪いと外反母趾の原因となったりします 脾は気血を作り出す臓で筋腱自体を作るのにも関わり 肝は筋肉の動きのコントロール臓腑の…

NSAIDsを有効に使うには

NSAIDsと言う頭痛や生理痛などにもよく使われる西洋薬があります。 バファリンやロキソニンなどが有名かと思いますが、 これらの薬の問題点は 副作用として胃腸障害や出血傾向を助長するところがあります。 中医学的に考えた時この二つの副作用は繋がりを見…

過活動膀胱になぜ骨盤底筋訓練が有効?(中医学的に)

過活動性膀胱に骨盤底筋訓練が有効なのは臨床上でも分かっていることですが 中医学的に考えた時にこれがなぜ効果的なのかについて考察していこうかと思います。 この訓練が有効なのは特に女性の方です。 どちらかと言うと年齢を重ねると女性は排尿の問題とし…

マスクほうれい線について中医学的に考えると

マスクほうれい線が問題になっているとのテレビで言っていました 原因はマスクで隠れているため 表情筋をあまり使わなくなっているのと マスクで蒸れることにより汗をかいたりしてむしろ 皮膚が乾燥してしまっているなどの原因を挙げていました。 そして表情…

脾虚が続くと食品アレルギーになるかも

花粉症の話でも書いたのですが chinese-medicine.hateblo.jp アレルギーの原因物質が身体の中に継続的に侵入するのが アレルギーになる最大の要因です。 これは食品アレルギーでも同様で脾虚*1で食品や漢方薬、西洋薬などを取り続けると、アレルギーの問題に…

整形外科での関節の手術について

実家に少し帰省しているのですが 親の友達がコロナが流行りだしてから外に出歩かなくなり 足腰が悪くなって今度手術をするとの話が数件さらには コロナの関係で手術のみでリハビリが出来ないとの驚きの内容 私の私見ですが整形外科の手術の多くはリハビリと…

足むずむず症候群(不妊症との関わりについて)

足むずむず症候群(レストレスレッグス症候群) は病院で診断されても現在のところしっかりした原因が不明の病気で じっとした姿勢や横になったりしていると主に下肢の部分に違和感や虫が這いまわる感じなど様々な不快感を感じ足をじっとしていることが出来…

前立腺肥大?

排尿障害のあると言う男性 病院では触診ではそこまで前立腺が肥大している様子はないが 他に原因が見つからないので前立腺肥大の薬が処方されたが 全く改善しないので何か良い方法はないかとのこと 話を聞いてみると前立腺肥大としては疑問点が多い 時間帯な…

男性不妊について

男性不妊は精子の質の問題のパターン 勃起障害や射精障害 のパターン の二つに大別できます。 実はこの二つには中医学的には共通点も多く 両方に問題のある方が多くいるのも事実 一つの大きな問題は近年の晩婚化にあります 女性は7の倍数 男性は8の倍数 で年…

五臓のイメージ国として考えると分かりやすい

五臓を国に例え理解する 昔の人も五臓を 心は「君主の官なり、神明これより出ず」 肺は「相傳の官、治節これより出ず」 肝は「将軍の官、謀慮これより出ず」 脾胃は「倉廩の官、五味これより出ず」 腎は「作強の宮、伎巧これより出ず」 などと昔の官職にたと…

五行図に見える感情の相関関係について(相剋)

chinese-medicine.hateblo.jp に書いたように患者さんの感情表現だけを頼りに治療するのは危険なのを知って頂いたうえで、五行での感情の関わりを相剋の観点から書かせていただきます。 相剋とはお互いに抑制しあったりし依存しあう関係 肺(悲しみ)↔肝(怒…

五行図に見える感情の相関関係について(相生)

chinese-medicine.hateblo.jp と上げましたが 相生の関係で感情を考えると面白いので書かせていただきます。 肝(怒り)→心(喜び) 多くの人は図星を指されたり、危機に陥ると 怒りの感情を覚える人が多いです。 これは肝に代表される感情で外向きに発散す…

肝の不調とは脳の防衛本能(肝鬱)

chinese-medicine.hateblo.jp でも書かせてもらいましたが 肝の不調とは脳の防衛本能と考えると理解しやすい部分が多くあります。 怒りやすくなったりイライラする これは 五神・五志とは(魂・神・意・魄・志) に書いたように怒りが肝に割り当てられている…

菅官房長官の趣向について中医学で考察する

次の総理大臣候補として話題になっている 菅官房長官 テレビで趣味や好きな食べ物などやっていたので中医学的に考察したい ・好きな食べ物 甘いもの・麺類 chinese-medicine.hateblo.jp こちらでも書きましたが、 甘いものや麺類(炭水化物)は即席のエネル…

筋肉(陰血)は裏切らない 寒暖差・躁鬱

陰血は様々な体で起きる症状を和らげ 外部の気候変動などにも緩衝材として働きます。 潤いで熱を抑えますので暑さに強くなり 陽気を生みだしますので冷えにも強くなります。 陰血とは身体自体のことでもあると言えます。 また陰血は五臓に蔵されますがそれ自…

一流アスリートの条件とは

一流のアスリートになるポイントを五臓で考えると 心→戦略を立てる頭脳(神明を主る) 激しい運動に耐える心臓のポンプ機能(血脈を主る) 肝→上手く筋肉をコントロール(筋を主る) 優れた動体視力(目に開竅する) 脾→食べたものを気血に変える(運化を主…

五液について(涎・唾)

中医学では五液という考えがあり 肝→涙 心→汗 脾→涎(よだれ) 肺→涕(はなみず) 腎→唾(つば) の五臓が関わっていると考えます。 この度はどちらも口から出る五液 涎・唾について書きます 涎は「ぜん」と読み 唾は「だ」と読みます。 どちらも唾液のことですが …

五液について(涙)

中医学では五液という考えがあり 肝→涙 心→汗 脾→涎(よだれ) 肺→涕(はなみず) 腎→唾(つば) の五臓が関わっていると考えます。 まずは涙について書かせて頂きます。 肝は自律神経などに大きく影響していますので急に明るい所に行った時などの瞳孔の開きなども…

夏バテを中医学で考える

このところ暑い日が続いているので夏バテしてしまっている人も多いかと思います。 だるくなってしまったり、食欲が落ちて温かいものを食べると汗が噴き出す、そうめんなどのさっぱりしたものしか食べれないなどなど ですがこれは対応を誤るとますます悪化す…

身体は季節の影響を受けやすい(梅雨・土用)

東洋医学に五季という考えがあります 肝心脾肺腎それぞれの不調が出やすい季節のことです。 肝→春 心→夏 脾→長夏(日本では梅雨)土用 肺→秋 腎→冬 今回は脾について書きます。 脾と言いますと何をする臓腑なのかイメージしにくい人もいるかと思います。 一言…

五臓六腑の陰陽について

五臓自体にも陰陽はあり 肝、心、肺、腎はわかるにしても脾は?となるかもしれません。脾はすべての臓腑の中央に位置して気血をすべての臓腑に作り与える存在ですので、私は他の四臓に分け与えるもの自体も脾の陰であると考えています。 また脾が痰湿を作り…

糖尿病を中医学で考える

糖尿病は消渇(しょうかつ)として古典などにも取り上げられている疾患です 糖尿糖尿は血糖が増えてしまうために常に水分が足りないような状態になります。 ですので喉の渇きを訴えることも多くそこから来た名前だと考えられます。 まず糖質による浸透圧の異…

浮腫みの原因は一つと限らない

質問 下半身と顔が浮腫のでその傾向が何なのかをお話し聞いてみたいです。(体型は太っては無いですが、脚が浮腫むで太く、顔も丸顔に浮腫が出ます) 朝起きたら脚スッキリセルライトも気にならないのに、夜にはボコボコしてます。 下半身→夕方にはパンパンで…

脾の統血作用とは

脾気の作用として統血があります。 血液を外側に漏らさない作用ですが 西洋医学で固摂を考えると血小板などの血液を固める働きと しっかりした血管をつくる力や働きと考える事が出来ます それらの原料を作るのが脾(胃腸機能)として考えると合点が行きます。 …

軟堅散結(なんけんさんけつ)

塩味のものやミネラルを多く含む生薬などや食べ物は軟堅散結(なんけんさんけつ)と言い堅く凝り固まった塊を軟らかくして崩す作用があると考えます。 堅く固まったものとは ①ガン・ガングリオン・麦粒腫などと言えばイメージしやすいですね ②便秘などで便が…

新たな五行図作りたい!

これらの五行図は一般的ですが 私の提唱する新しい五行図がこれ! 東洋医学での五臓六腑とは大まかな場所などの記載はありますが どちらかと言いますと機能の部分の方が大切と考えられます そう考えると機能とは陽ですから 実体である陰により生み出されてい…

五臓のつながり相生について

脾 脾(胃腸機能)は身体全ての陰(実体の有る物)を作り出す工場!それは血、津液とは限らず痰湿も作り出すそして、血は気を生みだします。 肺 肺は脾の子供脾の作り出した痰湿の影響を受けやすいそして脾が作り出した陰に大気のエネルギーを加え血としての機能…

特定の味を極端に好んだり嫌ったりする人の体質について

特定の味をやたら食べたくなったり嫌ったりする事があれば、 どこかに不調を疑って下さい 中医学・漢方 ・鍼灸 には五味 と言う考えがあり、 五臓 のどこかに問題があると特定の味を求めたり嫌ったりすると考えます。 肝 →酸味 心→苦味 脾→甘味 肺→辛味 腎→…

目の状態で全身が診える五輪学説とは

五輪学説 中医学 には五輪説との考えがあり 目の虹彩は肝 目の両端の赤い部分(目尻・目頭)は心 目の回り(まぶた・涙袋)は脾目の白目は肺目の瞳孔は腎が影響していると考えます目は肝だけでなく様々な臓腑が関わるというのがわかります。 肝 は虹彩にかかわる…