五液について(涎・唾)
中医学では五液という考えがあり
肝→涙
心→汗
脾→涎(よだれ)
肺→涕(はなみず)
腎→唾(つば)
の五臓が関わっていると考えます。
この度はどちらも口から出る五液
涎・唾について書きます
涎は「ぜん」と読み
唾は「だ」と読みます。
どちらも唾液のことですが
涎はサラサラの唾液で脾の五液
唾は粘りのある唾液で腎の五液
です。
西洋医学も
副交感神経亢進→サラサラの唾液
交感神経亢進→粘った唾液
が多く出るのが分かっています。
昔の人たちもこれらが別の仕組みで出ているのを知っていて別々のものとして
涎・唾と分けて考えていたのがすごいですね。
耳下腺からはサラサラ唾液
顎下腺からはネバネバとサラサラ唾液が混合で
舌下腺からはネバネバ唾液
が出ます。
私うまく絵を描けないので参考になるサイト貼っときます
まず副交感神経優位の時のサラサラの唾液については
副交感神経はリラックスや食事などをしっている状態の時に優位に働くものですから
消化吸収にとても大切な脾の五液であるのは
シンプルに分かりやすいと思います。
脾がうまく機能している時はスムーズに唾液が出て食事がスムーズに行えるのですが
脾胃不和があると食事の時に必要以上に唾液が出てしまったりします。
また脾がうまく機能していない時は、食べてもいないのに サラサラの唾液が出すぎたりしてしまうこともあります。
脾陽虚の時にこういったことが起こることが多いです。
では交感神経優位の時に出る粘った唾液はどうでしょうか、 基本的に消化を助ける作用というよりは口の中の乾燥を防ぐために出ている部分が大きいと考えられますね。
足少陰腎経は足の裏から始まり、肺に入り喉嚨(こうろう)に沿い舌根部を挟む形で終わりますから
喉嚨は顎下腺→ネバネバとサラサラ唾液
舌根は舌下腺→ネバネバ唾液
とつながり、ネバネバ唾液出す唾液腺と
足少陰腎経の流注が合致するんです。
そして足太陰脾経は足の親指の小指側の端(太白)から始まり
舌本を連なり(味覚に大きく関わる)さらに舌下に散じるとあるので口全体のイメージですね
それプラスで脾と表裏にある胃経の下関は耳下腺、頬車は顎下腺に影響します。
また腎とは身体の潤いを主り それが虚すと 人間は虚熱という熱を出しやすくなります これは少しのストレスでも緊張しやすい状態を作ると考えられ、
西洋医学的には交感神経優位が継続した状態と考えられます。
腎に問題があると唾液をぺっぺと吐きたくなるのは
腎に問題があることがあると言われています。
また胆に問題あると口が苦くなり
胃に問題あると口が酸っぱくなることがあり
これによって吐きたくなることもあるので鑑別は大切です。