臓腑の正虚・邪実について(肝・胆の邪実)
肝気鬱結
怒りやストレスなどにより肝の五臓六腑をスムーズに働かせる機能が低下して気の巡りが悪くなっている状態、長期にわたると肝血・肝陰も消耗し正虚も引き起こす。
肝火上炎
より強い怒りやストレスにより肝気鬱結から熱に発展したもの、頭部の熱症状(目の充血、強い耳鳴り、イライラ、口の渇き、鼻血など)口の苦み、便秘、脇肋部の灼熱痛などを起こす。こちらはより肝血・肝陰を消耗しやすく正虚も引き起こす。
肝胆湿熱
外邪による湿熱、甘いものや脂っこい物の食べ過ぎ、脾が弱ることによって生じた痰湿が詰まって熱化、脾が作った痰湿と肝熱が結合するなどで生じ
肝胆や肝胆の経絡上に症状が出る。
黄疸、脇肋部の灼熱性脹痛、口の粘り、苦み、粘った下痢、黄色いおりもの、陰嚢の腫れ、痔など
これも脾が弱ったり、外邪が原因なので肝血・肝陰も消耗し正虚も引き起こす。
胆鬱痰擾
胆気の鬱滞により生じた熱により津液が煮詰まり痰になりその痰と熱が結びついて起こり状態
びくびくする・驚きやすい・動悸・不眠・口が苦い・嘔吐・脇肋部が脹る・めまいなどが起こる
これも脾らせたり、不眠を引き起こすので肝血・肝陰も消耗し正虚も引き起こす。
長期の邪実は全て正虚を伴うことになるのでそこも考慮した治療が必要となりますね。
また肝胆の実邪は熱が絡むのが特徴ゆえに
潤いや血の不足が主体の肝の正虚との相性がよく
正虚が有ることにより実邪がパワーアップする。
最悪のサイクルを作り出しますね。