気象病とは
低気圧が近づいたときなどに頭痛やめまい関節の痛みなどを生じる方がいるのを気象病と言います。
では低気圧が近づいた時に変わる環境とはどういったものかを考える必要があります。
気圧が下がるわけですから
体の周りに加圧スーツのようにぴったりとまとわりついていた圧力がなくなってしまいます。
そうすると気圧の力によって体の上に体液をあげていた力が急激に減ってしまいます。
中医学ではこの上に上げる力を気の力として考えます。
またあげられる体液は津液であったり血であったりすると考えます。
元気な方であれば気圧の力を借りずにもしっかりあげることができるのですが、
脾*1の力などが弱いかたはそれができません
ですので頭部にうまく気血あげることができなくなっているとも考えられるのです。
また気圧が下がると空気が薄くなるので
肺が酸素を取り込む力も弱ります。
中医学でも肺は大気からエネルギーを取り込んでいると考えます。
これらは正虚の問題
さらに低気圧が近づいてくると急激に湿度も増してきます。
そうすると体に余分な水が余ってしまう状態になり
痰湿をためやすい人は
脾の弱い人→いらない痰湿を作ってしまうから
肺の弱い人→体液を上手く巡らせ津液として機能させられないので痰湿となってしまう
腎の弱い人→いらない体質をうまく排出できない。
これは邪実の問題
また天気が悪くなるので急激に気温が下がったり、
南風によって暑くなったりします。
ですので急激に寒くなった場合は、
体の冷えの問題のある人は症状が悪化しやすいので
脾陽虚や腎陽虚があると症状が悪化しやすい
また経絡が冷えで阻滞されての頭痛なども
※呉茱萸などが有効
また南風で急激に気温が上がる場合は湿度も一緒に持ってくることが多いので
体に湿熱と言う痰湿と熱が同時にあるような方は悪化しやすいです。
中医学では経絡などにつまりがあると痛みが生じると考えますので
気象病での関節の痛みなどは
今までお話しした痰湿が冷えや熱と絡まり経絡に詰まってしまったから起こっていると考えられます。
ですので治療としては冷えなのか熱なのをしっかり分別して対応する必要が出てきます。
また低気圧がやってくると天候が悪くなり外にも入れ歩けなくなりますし
太陽を浴びることもできませんので気持ち的にもどんよりしやすく
外からの陽を取り込むことが上手くいかなくなるので
メンタル的影響も少なからずあります。
なので心・肝の影響も考えます。
ですが特に大きな影響を受けていると考えられるのは痰湿や脾気虚ですから
状況が予想される場合は体質を作りやすいような甘いものや脂っこいものなどを食べ過ぎないようにしておくのも大切かもしれません。
またお風呂などに入ると体の冷えが取れて適度に汗をかくことによって体の巡りも良くなりますので改善することもあります。
冷えが絡んだ関節の痛みの軽減も期待できます。
ですが気虚の部分が強いような場合は長風呂などはむしろ疲れてしまって悪化することもありますし、熱が絡んでの関節の痛みも悪化することがあります。
*1:消化機能などを主り必要なものを上にあげる機能もある