泌尿器疾患を中医学で考える
泌尿器疾患と言うと膀胱に症状が出ることが多いので
五臓で言うと腎だと考えてしまうことが多いと思います。
ですが膀胱につながりのある五臓を考えていくと、
五臓すべてがつながることに気付くかと思います。
腎
まずは膀胱と表裏の関係にある腎ですね。
心
さらには太陽膀胱経と太陽小腸経のつながりを考えると
小腸と表裏の関係にある心も膀胱に関係があるのが分かるかと思います。
鍼灸師の国家試験などでよく血尿の原因として小腸湿熱が挙げられるのが良い例ですね。
肝
さらに陰部には肝経胆経の経絡が通っています。
脾・肺・腎
また膀胱の問題は水の代謝の問題として考えることができるので、
水の代謝に大きく関わるのは脾・肺・腎となります。
泌尿器の症状がある方は五臓全てに問題がある可能性があると言えます。
事件は膀胱で起きているが、原因は他の場所にある可能性があると考える必要があるのです。
身体全体のバランスを考えるのが大切な東洋医学において、
事件が起きている現場だけにこだわってしまうと、現場の処理が得意な西洋医学にかないません。
ですが逆に現場の処理だけでは対応できない場合に西洋医学以上の効果を期待することもできるのです。
ですので膀胱に起きている症状以外の諸症状をしっかり聞き出すことがとても大切なのが分かるかと思います。
例えば
補腎や疏肝でなかなか良くならなかった人にプラスアルファで麻黄を使ったところ劇的に良くなったという話を聞いたことがあります。
麻黄という生薬は肺・膀胱に帰経がありますので、膀胱に直接働いた部分もあるとは思うのですが、肺の水の巡りを調整する機能へアプローチした部分も大きいのではと考えています。