夜間頻尿と睡眠時無呼吸症候群(閉塞型)の関係を中医学で考える
睡眠時無呼吸症候群のある人は夜間頻尿も併発するのが知られています
西洋的には
無呼吸⇒心臓に負担がかかる⇒循環血液量を減らそうとして利尿ホルモン が出る⇒頻尿になる
と考えられるようですが、中医学で考えた場合どのようなつながりが考えられるのでしょうか
睡眠時無呼吸症候群の原因は大きく分けると
喉が塞がってしまうことで起こる「閉塞型」
脳や神経などの異常が睡眠時無呼吸症候群を招くケース「中枢型」
まずは圧倒的に多い閉塞型について考察していきます。
閉塞型の場合は肥満による脂肪や舌の大きさ、副鼻腔炎などが影響します
これを中医学で考えると
肥満
脂肪は痰湿(上手く使えていない体液が詰まった状態)と考えれます
痰湿が作られる原因は脾・肺・腎です。
脾が痰湿を作り
肺がそれを上手く巡らせられず
腎がそれを排出できていない
舌の大きさ
舌の大きさは先天的に大きいもので無い場合は
脾腎陽虚などによる水湿内停(冷えにより舌が浮腫んだような状態)
湿熱停留(湿熱により舌が浮腫んだような状態)
であることが多い
副鼻腔炎
湿熱の場合(邪実)
脾気虚や肺気虚により粘膜の状況が維持できず炎症を起こしている(正虚)
の場合が考えられる
こう考えていくと睡眠時無呼吸症候群の閉塞の原因の多くは
脾・肺・腎が絡んでいるのが分かるかと思います。
脈で診ると右腕の臓ばかり
chinese-medicine.hateblo.jp
そして夜間頻尿側から考えていくと
最も排尿に関係している臓は腎
そして寝ている間に機能低下する蔵は身体の体液の巡りを主る肺
腎・肺がどちらから考えても絡んでくるのが分かるかと思います
さらに
肺は呼吸を主り
腎は納気を主る
のでどちらも呼吸に関わっています。
さらに無呼吸⇒心臓に負担がかかる⇒循環血液量
との観点から考えると
睡眠時無呼吸症候群により心への負担も増大していると考えられます。
中医学での心とは心臓と脳の事
心は最も陽な臓と考えられ最も陰な臓である腎と相剋の関係にあり
お互いに制約しあっているとも考えられます。
その面では心が過剰に働くことにより腎の機能が抑えられ頻尿とも考えられます。
また
心の表裏にある臓腑は小腸
腎の表裏にある臓腑は膀胱
小腸と膀胱は同じ太陽経に属しておりそこからの影響も考察できますね。
このように様々な経路で夜間頻尿と睡眠時無呼吸症候群が関わっているのが分かり
中医学でのアプローチの幅が広いのも分かるかと思います。