陰陽論と邪実・正虚について
日本漢方では
体力のなさそうな人を虚
体力のありそうな人を実
と言ったりしますが中医学での虚実は少し違いまして
邪実・正虚と言う考えがあります
邪実とは要らないものが多くあるや上手く巡らず詰まっている状態
正虚は必要なものが足りない状態です
陰陽について①でお書きしたように陰陽と言う概念は
物事を統一の側面で比較することですから
日本漢方で言う虚↔実は陰陽であると言えますが
中医学での虚実はそれぞれ
邪と正と言う別のパロメーターを基準にしているので
邪実↔正虚
といった陰陽ではないと言えます。
ですので邪実・正虚がともにあることも多くあります。
ですが邪や正、自体には陰陽があります。
とても邪が多い↔邪がない
とても正が充実している↔正が少ない
正邪で↔の表現を変えたのは
正は人が生きていくのに必要なものですから生きている人間を治療する前提であれば
どんな人でも少しはあるのが前提
邪は要らないものですから健康であれば完全に可能性もあるからです。
また、この場合どちらが陰でどちらが陽かと考えるのも面白いですが
どの部分を切り取るかで変わってくる部分なのでここでは省かせていただきます。
こうは書きましたが
邪が多くなると正を消耗したり
正が充実すると邪が減ったり
しますのでその部分は考慮する必要がありますがそこばかりに目が行くと
日本漢方での虚実と混同してしまうので
邪・正は影響しあうが別のパロメータとの意識をもって弁証に当たることをオススメします。
また五臓における正邪については
に書かせてもらっています。
ただここでは味にかかわる正邪しか書いていないので後ほど他の正邪についても
書いていこうと思いうます。