オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

高血圧を中医学で考える

高血圧についてはよく正常値をどう考えるのかがよく論議になっていますが、
中医学の観点で考えると数値にこだわるより何故血圧が高くなっているかを考える方が大切だと言えます。
原因として大きく捉えると
邪実と正虚が考えられます。

邪実

要らない物が多すぎるや詰まっている状態
痰湿や実熱などが考えられます。
この場合の痰湿に対しては西洋医学での対応が有効なことが多いです。
利尿剤でむくみを取ったり、血管を拡張する薬を使って余分な痰湿を巡らせる余裕を作るわけですね。
中医学でも痰湿を取ったり血流をよくするなどで対応します。
実熱の方はおそらく西洋医学ではベンゾジアゼピン系の精神安定剤などを使ったりすることはあるのでしょうが他に決めてがないのではないでしょうか。
中医学ではどこから来た熱かを見極め対応するので幅広い対応ができます。
ストレスなら気を巡らせる、便通が悪いなどでの熱なら消導薬や瀉下剤、血熱があるようなら清熱涼血など対応します。

正虚

必要な陰血が足りないことにより、肝(脳)が自己防衛反応として血液を頭頂部に上げてしまっている状態
こちらは西洋医学での対応はほとんど出来ないのでは無いでしょうか、
無理やり中医学では痰湿の時に使うような西洋薬で対応しているのを見かけますが
うまく頭に血液が廻らなくなるのでボーとしてしまったりふらついたりするお年寄りを多く見かけます。
お年寄りは正虚が原因の高血圧が多いからです。
またこういったタイプの方の場合むしろ頭の血流が悪くなっているので脳梗塞のリスクすら上がるのでは?と考えられます。
中医学では肝腎陰虚による肝陽上亢と考えられるような場合が多いです。
さらにはなぜその肝腎陰虚が起こったのか
*1が弱いので気血が作り出せていない、ストレスなどで肝腎を消耗している、食生活の問題で肝腎が養えていないなどを考えそれぞれの状態に合わせて対応していきます。
ですので生活習慣にも介入して行くことになりますね。

高血圧などは西洋医学でも生活習慣病と言われているわけで
中医学の方がむしろ向いている分野であると言えるかもしれませんね。
chinese-medicine.hateblo.jp

*1:胃腸機能