オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

ドクターを目の前にすると血圧が上がるのよ、、、

よく普段は血圧問題ないんだけど

病院でドクターの前だと血圧が上がるんです。

とよく耳にします。

こんなタイプの人への対応はどうすべきなのでしょう

普段は血圧が低いので問題ない?

血圧が高い時もあるので下げるべき?

病院での対応としてはベンゾジアゼピン等の抗不安薬など使うこともありますが、

それは根本解決にならないのでは置いておき

中医学での考えを書かせてもらいます。

こんな場合、血圧を下げることより、

変動しやすいところに着目すべきだと思います。

この場合の変動の原因はドクターに血圧測定されると言うストレスだと考えられるのですが、中医学で考えれると

  1. 以前に何かのトラウマがあるなどドクターに対して大きなストレスを感じている、精神的(陽)な問題のパターン
  2. ドクターと話すと言った少しのストレスでも大きな負担になるほどストレスを受け止める力(陰)が弱ってしまっているパターン

大きな問題になるのは2のパターン

1のパターンならドクターの関わらない一般生活では急激な血圧変動は起こらないと考えられからです。

2のパターンの場合はドクターが関わらない一般生活でも少しのことで血圧の変動が起こっていると考えられ危険だと言えます。

ですがこのパターンで全体の血圧を下げてしまうと普段の血圧が下がり過ぎてしまい日常生活に支障をきたす場合も、やはり変動を減らす必要がありますね。

先ほど2のパターンはストレスを受け止める力(陰)が足りないと書きました

この場合の陰とは中医学では肝陰・腎陰と言ったものになります。

これらは年齢とともに減っていく傾向にあるのも問題点です。

また寝不足などでも消耗しやすいのでしっかり睡眠時間は確保するようにしましょう。

漢方などで不足を補って行くのも一つの方法ですが、

胃腸が弱い方の場合、胃腸の負担となることがあるので注意してください。

また肝陰・腎陰を補いつつうまくそれらを運用する手法が疎肝理気や柔肝、平肝熄風などになります。

これらを組み合わせてバランスを取っていくのが大切です。

ストレス=理気みたいな話をよく耳にしますが本来はそんな簡単なものでないのも知って頂きたいところです。

例えばこんな時よく使われる

抑肝散

  •  柴胡(サイコ)理気
  • 釣藤鈎(チョウトウコウ)平肝
  • 蒼朮(ソウジュツ)胃腸を整える
  • 茯苓(ブクリョウ)胃腸を整える
  • 当帰(トウキ)肝血補う
  • 川きゅう(センキュウ)活血・理気
  • 甘草(カンゾウ)胃腸を整える

などさり気なく絶妙の配合がされているのがわかります。

ですが全ての人にこのバランスが良いわけはもちろんなく他の漢方を使ったり組み合わせる必要があるときもあります。

より胃腸をケアする、より肝陰を増やす、理気を増やす減らす、活血増やす減らす、平肝を増やす減らす、捕気昇提のもの足す などの微調整です。

緊張症=抑肝散だと対応できない部分ですね。