オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

相剋→相生→相剋の三角形①

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現代人に多いストレスに起因する三角形について書こうと思います。

肝→脾→肺→肝のつながりですね。

肝→脾

まず肝という臓は体の気の巡りをコントロールするのにとても大切な臓腑で、西洋医学でいうところの中脳・間脳・小脳・延髄といったような生命維持のために必要な指令を与える脳の機能と考えることもできる部分です。

ですので怒りや不安などの感情を抱いのストレスを受けて、不調を示しやすい臓腑でもあります。

また東洋医学での心と言われる思考を司ったりする部分(西洋医学で言われる大脳辺縁系などの部分だと考えられます)を守るために暴走してしまったりする臓腑でもあります。

ですので人間はストレスを感じたりすると肝が気血などの必要なものを要求することが大きくなります。

その気血を作っているのは脾(西洋医学でいうところの消化機能)です。

脳の司令としてはいくらでも要求できるのですが、胃腸は物理的な制約がありますからすべてに答えられるわけではありません。

ですから処理しきれなくなれば自然と脾は弱ってしまいます。

一番分かりやすいのでは便秘や下痢などだとは思います。

下痢は処理しきれずに出ていると考えられますが便秘はなぜと思う方も多いかと思いますこれについては以前にも書いているのでこちらを参照してください。 

脾→肺

また脾は正常に機能していると気血をしっかり作ってくれるのですが、うまく機能しないと痰湿と言ううまく巡っていない体液のようなものを作り出してしまいます。

中医学的意味合いでの肺の機能は呼吸だけでなく体中の気血のめぐりのコントロールをしていますし、津液と言ううまく巡っている体液のコントロールもしています。

痰湿は巡っていない体液と言いましたからこれが増えてくると肺の津液を巡らせる機能も低下してしまいます。

さらに肺には脾が食べ物から作り出した気血に呼吸をすることによって大気の気をさらに加え機能させる機能もあります。 

この部分でも脾からの気血の本来の供給ができなくなることによって問題が起きてくることが考えられます。

肺→肝

また肺も気の巡りに大きく関わると今お話ししていますが、最初に肝も気の巡りが変わるとお話しさせて頂いてますね。

肺は身体側の動きとして巡りをコントロールするのに対し、肝は脳の司令として気の巡りをコントロールしていると考えることができます。

これらはお互いに上手く巡ることによって更に機能するものであって、片側がうまくいかなくなるとより上手く巡らなくなることが考えられるのです。

 

こちらで書いたような部分ですね。

ですので身体側がうまく機能しなくなってくると脳の側はその帳尻を合わせようとますますうまく巡らせることができなくなってくるという悪循環が起きると考えられます。