オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

陽キャ・陰キャ・インターネット社会にある陰陽について

こういった話はよく出てくるのですが

陽キャ陰キャというのは明るい人や暗い人というイメージですが

陰陽を切り口を変えて考えると

キャラクターというイメージを出しているのはその人の行動であってそれが陽

その人自身は陰と考えることができます。

陰とは実体のあるものでを生み出すことができるものと考えるからです。

そう考えると陽キャ言われる人は

陽が充実しているわけですからそれを生み出す陰も充実していると言えます。

人々が陽キャという人たちに良い印象を感じるのは

明るい行動であってエネルギッシュな人であるということでしょうから

陰陽両方の部分を含めて素敵だと思っているわけです。 

また陽は陰を消耗するという考えもありますので

陰が少ない人が陽キャを演じると陰を消耗してしまい疲れてしまうことがあります。

また陰が少ない人があまりに陽が強い人の近くにいると疲れてしまうのもそのためだと考えられます。

陽キャの人の陰が素敵だと言えば間違いのない表現なのかもしれませんね。

 これも先ほど話したことから考察するとわかりやすいのですが

インターネットが普及して多くの人とコミュニケーションをとるという行為は

より動きが激しくなるわけですから陽と考えることができます

ですがそのコミュニケーションを取っているのは人(陰)なのです。

激しいコミュニケーションは人を疲れさせますから

より自分と同じ考えをしている人を見つけて集団を小さくすることによってその消耗を減らそうとするのは自然の摂理なのではないでしょうか。

直接人と会ってコミュニケーションをする場合はその人自体という陰も見ながら話すわけですが、インターネットという場合は文字であったり情報だけ(陽だけ)でのやり取りになりますから

より陰陽のバランスをとるのが難しくなってくるとは思われます。

よりそういったバランスをとる方法を今後

人類は考えていかなければいけないのかなって思うところでもあります。

 

また陰陽転化とはとても便利な言葉ですがより大きな括りであったり小さな括りで陰陽を見れば実は転化ではないこともあります。

ただ同じ尺度で見ていると転化はしてるんですけどね。

www.youtube.com

太陰肺経の流注について

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太陰肺経は中焦からおこり下って大腸に絡した後に再度上に上がり胃口を循り膈を通過して肺に属すると言われます。

この流れはとても面白く肺の中医学的機能に免疫機能があるのですが

現代医学的には大腸の盲腸は免疫機能に関わるリンパ組織が発達しています

さらには肺の近くには胸腺と呼ばれる組織がありここは全身の免疫が機能するように指導する部位でもあるのでこの二つの臓器が表裏関係にあると考えるのも面白いですし経絡でもつながっているのが分かるかと思います。

また流派によって考えは違いますが難経では腹診の際、右側のお腹の反応は肺の反応と考えます。

右側のお腹考えると

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盲腸があり、西洋医学での小腸のパイエル板(集合リンパ小節)は回腸の後半である

大腸に近い部分に多く、これらはリンパの免疫機能と密接なことからも右側のお腹の反応が肺と関係していると考えられるのかも知れない

 

大腸から上昇した経絡はその後、喉に至り横に移動して中府から体表に出てきます

ここに書いているように太陰脾経は逆に中府から体の中に入るんです

中府から親指の少商に至ります

また分支は列缺から別れ第2指の商陽で陽明大腸経と交わります

陽明大腸経は再び喉に向かいます。

列缺は折り返し点とも言え頭項は列缺に尋ねると言われるのもそのためかも知れません。

また列缺は任脈に通じていると言われるのでそのための部分もあると思われます。

 

 

 

 

少陰腎経の流注について

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少陰腎経は足の小指から始まり(小指の外側には膀胱経の至陰)

足裏の窪み湧泉に斜行しそこから内踝を周りその後、上に

また途中に三陰交で厥陰肝経・太陰脾経・少陰腎経と足を通る陰経が全て交わります。

その後尾骨の先端の長強へ至り督脈と交会し脊柱を貫いて腰に至り腎に属して膀胱に絡しますが

これは腎が髄を作るとの考えとも繋がりますね

また別枝は長強から会陰に会陰は任脈のツボであり

任脈は少陰腎経と共に生殖に大きく関わるところあり納得ですね

仙骨神経が排尿などに大きく関わっているのもこの流れが示していると考えられますね

会陰からは体表の横骨に繋がり兪府に至ります

途中、任脈の中極・関元とも交会します。

それとは別に腎から身体の内側を上昇して肝・隔膜を貫いて肺に入り喉を通り

舌の根元へ

こちらで書いたようにネバネバの唾液の分泌に関わります。

また腎は納気に関わり特に吸気に影響します

ですので腎の不調は喘息などにもつながるのですが

喘息の問題は気管の収縮と炎症これにも腎が関係しているのが分かりますね。

また肺に入ったところで一部は心に絡して厥陰心包経と交わります。 

 

 

太陰脾経の流注について

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 太陰脾経は足の親指の親指側の隠白から始まります

ちなみに厥陰肝経は親指の小指側の太敦より始まり

脾と肝の経絡のバランスが悪いと外反母趾の原因となったりします

脾は気血を作り出す臓で筋腱自体を作るのにも関わり

肝は筋肉の動きのコントロール臓腑のバランスと見ても影響が考えられる部分です。

また太陰脾経は足の内股側を通っていますので、内転筋との関わりも深く脾が弱い人は座る時

大股開きになったり足を組んでいないと落ち着かないこともあります。

内転筋に限らず脾の不調は日頃あまり鍛えることのない筋肉に影響を表しやすいです。

 

chinese-medicine.hateblo.jp

 

さらに4の三陰交で厥陰肝経・太陰脾経・少陰腎経と足を通る陰経が全て交わります。

さらに足を上がり腹壁を登ってその途中任脈の中極・関元と交会して腹哀からお腹の中に入ると考えるので

お腹の筋肉の充実なども脾の状態の確認に有効ですね

そこから脾に属し胃を絡しますそこで任脈の下脘とも交会さらに胃から心へつながる経路と

腹哀からそのまま外側を上に上がる経路に分かれ

途中、少陽胆経の日月→厥陰肝経の期門→食竇

脇の前の周栄で後方の下(脇下)の大包へ

大包は脾の大絡と言われ全身へ気血を送る働きがあると考えられています

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この脾が全ての臓腑の中心との考えにつながるツボでもありますね

解剖学的には肝臓(西洋医学)の肝静脈や門脈に影響するツボと考えると作用と場所から推測出来ます。

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さらにそこから上に上がり太陰肺経の中府から身体の中に入ります

脾と肺は親子関係で

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その繋がりも表しているかも知れませんし

中府は太陰肺経が内側から出る部分で重なっており面白いところですね

脾と肺は協力して気血を作りますしね

そこからは体の内側を通り喉→舌に

脾は味覚などにも大きく関わっているのが分かりますね

コロナなどの感染症で味覚に影響が出るのもこの脾・肺の関係を疑う必要があるかもしれません。

五行の中の陰陽について

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五行の中には多くの陰陽が隠れています

まず真っ先に思いつくのが、五臓の表裏関係にある六腑ではないでしょうか

陰↔陽

肝↔胆

心↔小腸

心包↔三焦

脾↔胃

肺↔大腸

腎↔膀胱

これは

臓はものを蔵す機能がありより身体の深部なので陰

腑はものを通す機能があり身体の表面に働くので陽

といったもの

さらには五臓実体にも気血といった陰陽があります

また

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また臓腑の位置関係での陰陽

陰↔陽

下にある腎↔上にある心

右にある肺↔左にある肝

もありますこの配置での位置に関しては臓腑の機能を表した配置です

実際の身体の中での位置で考えると

下にある肝↔上にある肺

となり肺・肝の陰陽関係は逆転します

陰陽は何を基準にするかで意味が変わる部分ですね

さらに

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相生

相生の関係は臓の陰な側面を表しています

陰とは物を生み出す力があるものと考えるからです

この場合、肺の陰がマスクで守られそれにより腎の陰も充実するとの考えになります

更に腎精が充実すると肝血も充実

肝血が充実すると心血も充実

心血が充実すると脾気が充実

脾気が充実すると肺陰・肺気が充実

相剋

相剋の関係は臓の陽な側面を表しています

陽は陰をコントロールすると考えるからです

肺の気を巡らせる機能の不調は肝の気を巡らせる機能も低下させその逆もしかり

 

肝の気を巡らせる機能の不調は脾の働きを低下させ

脾の働きが低下すると肝血が作り出せないので肝の機能も低下します

 

脾が余分な痰湿を作ると腎の機能が低下し

腎の痰湿を排出する機能が低下すると痰湿により脾は弱ります

 

腎が痰湿を排出、出来ないと心が弱り

心の機能が強すぎる(高血圧など)と腎が弱ります

 

 

 




 

 

厥陰心包経の流注について

厥陰心包経の流注について書こうかと思います

五臓六腑の流注についてしか聞いたことの無い方には心包?

となるかもしれません

経絡は十二正経と言いまして

五臓六腑に心包という臓が足された六臓六腑に

それぞれの経絡が関係していると考えるのです

 

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これが厥陰心包経の流れですが

 少陰心経と似てるなと思う方も多いと思います

それもそのはず心包とは心臓の周りにあり心臓を守るための存在としての臓器と考えられているからです。 

そこからの上下の動きが違うのが分かると思います。

心という臓器は神明をつかさどると考えますから

人間の思考の中心である脳の方やそれが強く反映される目の部分に繋がっているのですが

心包の方は繋がっていないのが分かるかと思います

また下の方へにはどちらの経絡もつながっていますが心の方が小腸に繋がっていると考えるのに対して心包の方は体の上焦・中焦・下焦に流れていくと考えます。 

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ですので患者様の体調不良を考えた時に心臓のポンプ機能としての不調を強く感じた場合は心包経へのアプローチを多く行うことが私は多いです。

ここにも書いたように心の君火を心包が相火として受け取り三焦を通して命門の火として蓄えるという考えにも繋がります。

さらに面白いのは手のひらの部分でのツボを見ると労宮・中衝とつながり脈の拍動部と合致するのです。

これら部分からも心臓のポンプ機能と大きく関わっているのは明白です。

また内側から出てきて最初の天池で少陽胆経で交会します

また内関は陰維脈に通じているので陰維脈の病である心痛・胃痛・反胃・結胸・胸脘部の満悶と痞脹・腹中の結塊・脇痛・脇下支満・瘧疾などを治療することが出来ます。

少陰心経の流注について

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心は血脈を主ると言われるように

動脈・静脈の走行と少陰心経の流注が類似しているのが分かるかと思います。

下行大動脈→腹腔動脈→消化器官

とのつながりを少陰心経→太陽小腸経のつながりと考えたのかもしれません

この動脈によって供給される血液によって消化吸収機能は維持されているので

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脾(胃腸機能)は心の子供であるとの相生の考えも納得ですね

また

下行大動脈→左右腎動脈→左右腎臓

とのとても太い動脈での心腎のつながりは心腎交通を連想させますし

そこからさらに大きな上半身と下半身のバランスとして古代の人は観察していったのではと考察出来ます。

心・腎の相剋の関係ですね

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位置関係としてはこちらの五行図の方が理解しやすいですね

また心から目につながる経路も動脈静脈の経路として考えることも出来ますし

心は神明を主ると考えますから

目の輝きなどで神明の状態を確認したりする中医学の考えからも

心から目につながっているのは自然な流れだと思います。

また小指の少衝で終わるのも面白く

心臓に不調が有るとき左手の小指に放散痛を感じることが多いのも古代の人が知っていたのではと思われます。

感覚として感じるということは

小指に鍼灸の刺激→脳→心臓

とのつながりで鍼灸刺激が心臓に良い働きをするとも考えられます