オックー@漢方(中医学)+鍼灸

薬剤師・鍼灸師・国際中医師A級のオックーが基本、中医学について書いています。

左右の陰陽について


一般の方に左右どちらが陽だと思います?

と聞きますと多くの方が右と答られます。

また上下でどちらが陽だと思いますと聞くと上と答られます。

じつは陽なのは上と左なんです。

陽とは動きやエネルギー、熱、火、情報、指令、上などで実体の無いもの

陰とは実体があり、陽を生み出すもの、冷え、水、下など

何故?左が陽、右が陰かと言いますと諸説あるのですが

 

方角で考えると

南が陽、北が陰

東が陽(太陽が昇るから)

西が陰(太陽が沈むから)

でそれを人に当てはめると

人が南を向いた時、

左は東なので陽

右は西なので陰

との説を聞いたことがあります。

 

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東洋医学は北半球で生まれた医学なので問題ないですが

南半球なら太陽が昇る方角は逆ですし、

人は常に南を向いているわけではない

では人の身体で考えるた場合何故?

左は陽なのか考えてみました

 

まず上半身・下半身で考えると上半身より下半身の方が筋肉などが充実しており陰なのは分かると思います。

また、この上半身、下半身という考えが曲者でどこからが上半身どこから下半身と考えるかは人によって違ってきます。

臍を中心に考える?

首より上と下?

どれも間違いないではないとは思いますが

これから話す上半身、下半身は首から上と下で考えた話をさせていただきます。

首から上は頭で目や耳があり感覚器官が集中しておりさらにはそれから収集した情報を統合して首から下に指令を与えていますのでとても陽な領域です。

首から下の身体は頭を支え脳からの指令で動き外からの栄養を吸収し血肉を作りますから陰な領域と言えます。

身体は頭よりよく動きますから陽か?というとそうではなく物理的な動きより脳からの指令や情報の方がより陽だと言えます。

一般的に右利きの人として考えた場合

右半身の方が筋肉などが充実しているのが分かるかと思います

筋肉が充実しているのは実体がしっかりあるということですから

陰が充実していると言えます。

ただし陰が充実しているということはそれから生まれる陽のエネルギーも大きいと言えます。

また不調としては陰が充実しているので、陰を動かすための陽気の詰まりの問題が出やすかったりします。

また陰が充実しているべき場所なので、陰の不足があるとその問題も起きやすい。

では脳と身体で考えると右半身に指令を与えるているのは左脳です

から、指令や情報といった最も陽な部分は左側が充実していると言えます。

ですので左右の陰陽は

身体の実体の部分と

脳の指令の部分で

考えると説明がつくし臨床応用も可能であると考えています。

 

左半身は右より陰血の充実が少ないので血瘀などの問題が起きやすく

陰血とのバランスでは気のほうが充実しているはずなので

気虚などの症状が出やすい。

気を生み出す出すのは陰血との側面もある

 

また左右の陰陽が覚えにくい方にオススメな語呂は

左(ひだり)は火(ひ)なので陽

右(みぎ)は水(みず)なので陰

覚えやすいです。

 

また、東洋医学とは直接関係無いですが

陰陽は日本人の生活にも昔から密着した考えですので

以外とイロイロなところに隠れているものです。

ネタとして書いておきます。

左「ヒラメ」右「カレイ」
と言いまして目を上にした時
左向くのがヒラメ
右向くのがカレイ
となります。
左は陽でヒラメは動きが活発で成長が早い
右は陰でカレイはおとなしく成長が緩やかで長生き
ちなみに画像はヒラメです。


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