外感邪の影響を受けると脈は浮く
脈診は血管と血液の変化を触診していると言え
血管は外側→陽
血液は内側→陰
を反映しやすい。
陽の変化は早いが
陰の変化はゆったり
そこを頭に入れながら脈診をすると脈の状態を理解しやすくなる。
血液は物体→陰
脈拍・血管の変動・心臓の押し出す力→陽
として陰陽を考える事もできる。
ここで言う血液とは中医学で言う血のことだけを指しているのでは無く津液のことも含んでいる。
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そして陽は動きのことを指しているので気のことである
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外感邪とは外界の変化に対して人間の体が反応しそれに対して適応しようとしている状態
適応しようと変化しているわけですから陽の動きが激しい状態
これは外感邪(六淫の邪)が
風邪・暑邪・燥邪・火邪などの陽邪であっても
寒邪・湿邪・暑邪などの陰邪であっても
同様のことが言える。
急激に陰血の変化はないのだから
それが脈が浮くといった変化に反映されていると考えることも出来るのです。
そして病が長くなったり内証であると陰血に影響が出てくるので脈は沈んでくる。
さてここまで書くとあれ?
と思う方もいると思うのです。
それぞれの外感邪に分けて考えて行きますね
湿邪・暑邪
湿邪・暑邪の場合は津液過剰となりそれが痰湿となっているのでは?
確かに痰湿は増えているのですが陰血として機能するものが増えているわけではないのです。
陰血とは血管壁を構成する物質も指しています。
一時的に痰湿が増えるのは変化ですからやはり気の働きと考えることも出来ます。
また病が長くなると血管の壁を支える力も落ちていくので脈は沈んでくるのです。
寒邪
寒邪の場合は急激に寒くなるや
ここに書いたようにウイルスなどに対抗するため急激に体温をあげないといけない状態です。
ここまで書くとやはり変化ですから陽なのがわかると思います。
体温をあげるのに必要なのは熱を生産することと逃さないことが大切となります。
ですので血管は縮小し熱を逃さないようになりますねそうすると
身体の中の血液は過剰となりますから血圧は上がりますし、血管を押し返す力も大きくなります。
ですがこの状況が長期続いてしまうと余った陰血は尿として排出され脈は細くなるし沈んでくるのです。
火邪・暑邪
火邪・暑邪の場合は急激に暑くなるや身体で炎症が起きて代謝が亢進している状況
心臓の押し出す血液の量も増えるので脈は太くなったり浮きます。
また炎症に対する血管の緊張で浮く部分も
これも病が長くなると陰血を消耗していくら心臓が頑張っても押し出せなくなりますし
血管壁も弱くなってくるので脈は沈んで来ますね。
燥邪
燥邪の場合乾燥で津液がこれ以上減らないように、血管を緊張させると考えられます。
これも病が長くなると陰血を消耗していくら心臓が頑張っても押し出せなくなりますし
血管壁も弱くなってくるので脈は沈んで来ますね。
風邪
風邪とは気温などの変化自体を指しています。
自然界でも寒暖差で風が起こることから分かると思います。
変化ですがその変化が余り大きくないと問題を引き起こすことは少ないのです。
ですので風邪は単品で問題を引き起こすことは稀で他の邪と組み合わさって起こります。
風寒湿邪などですね、これは風邪の性質を考えると至極当然で寒邪や湿邪での変化自体が風邪と言えるのです。
そうしますと今まで書いた六淫の邪すべての病理を組み合わせ考える必要があるのが分かると思います。