脈診をシンプルに考えよう
脈診のことが書いている本を読んだりすると結構特徴的な脈についての名称であったりが出てくる。
ですがそのような特徴な脈にで会うことはなかなか無いので実際にそれを学習するのは結構難しい話になります。
そして名前の付いている脈であっても数種の状態が組み合わさって起きているのでそれぞれの状態を分けてどのようにしたらこのような状態が起きるのかを知っていれば、名前を知っている必要などないとも言えます。
脈診をする時に触れる血管は動脈ですので壁に筋肉も存在します。
ですので脈の変化として人間が捉えることができるのは、
血管壁の筋肉の変化と血管の中を通る血液の量、そして心臓によって血液が押し出される力となります。
血管壁の筋肉自体や血液は陰血として考えられます
そして心臓の押し出す力や血管壁の筋肉の動きは陽気として考えられます。
またここで話している血液や心臓に関しては西洋医学でいうところの血液や心臓と考えてください。
ですので血液には津液も含まれるものと考えるべきです。
簡単にまとめると
- 血管壁の筋肉の動き→気の変化
- 血管の中を通る血液の量→陰血の変化
- 心臓によって血液が押し出される力→気の変化
- 血管壁の質→陰血の変化
と分けて今の脈の変化はどこから来ているの?
と考えるとシンプルになりますね。
1は外感邪やストレスを感じたときの緊張での変化→気滞
体力低下で筋肉をしっかり動かせない→気虚
2は血液の量が多い→陰血の充実or痰湿が多い
血液の量が少ない→陰血の不足or痰湿・瘀血などで阻滞され巡っていないor陰陽バランスを取るため減らしている
3は心臓の押し出す力が強い→陽気の充実or熱邪旺盛
心臓の押し出す力が弱い→気虚or陰陽バランスを取るため減らしている
4は血管壁の質の低下→陰血の消耗
血管壁の質の向上→陰血の充実
とさらに分けることが出来ほとんどが正邪どちらでも起こり得ることが分かります。
ですので問診・望診などして弁証を立てたのと総合してなぜそれが起こっているのか?
考えると問診・望診などの答え合わせになり、どうしても辻褄が合わない場合は弁証自体を考え直す必要があります。
例えば気血両虚なら
1は体力低下で筋肉をしっかり動かせない→気虚
2は血液の量が少ない→陰血の不足
3は心臓の押し出す力が弱い→気虚
4は血管壁の質の低下→陰血の消耗
となりますから
2・3により脈は細くなりますし2の影響もあるので疲れが取れても改善しにくい
1・4により脈に張りのない状態4の影響もあるので疲れが取れても改善しにくい
となっていると考えられます。
さらに
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などの情報も総合すると脾気が弱ければ関の脈が全体と比較して弱くなりますし
心気・肺気が弱ければ寸が弱くなります。
そして気虚だけであれば
1は体力低下で筋肉をしっかり動かせない→気虚
2は血液の量問題なし
3は心臓の押し出す力が弱い→気虚
4は血管壁の質の問題なし
となりますから
3による影響で脈は細くなる可能性はあるが2の影響がないので気血両虚ほどでは無いし疲れなどでの変動が大きいと考えられます。
1の影響で脈に張りは無い可能性はあるが4は問題に無いので疲れによる変化があるかもしれ無いとなります。
またまだ血虚まで出ていない状態なので脾気はあり、心気・肺気が先に落ちて来ている可能性も高いですね。
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