高温期・低温期を中医学ではどう考えるか
中医学では
低温期は陰の時期
高温期は陽の時期
と考え
陰の時期である低温期には陰血を補うのを重視し
陽の時期である高温期には陽気を補うのを重視する
という考えがあります。
陰陽と言われると胡散臭いなぁなんて思う人も多いかと思うのですが
西洋的に分かっていることに陰陽を当てはめると
とても納得が出来る治療方法であることが分かるのです。
低温期には卵胞や卵が成長する時期であり
残った卵胞から出るホルモンによって高温期が維持されます。
これを陰陽に当てはめて考えると
ホルモンを作り出す物質である卵胞は陰だと考えられ
そのホルモンの働き(陽)によって高温期は維持されるので
中医学でいう陰陽がそのまま卵胞やホルモンの働きと置き換えることができるのです。
良い状態のホルモンが分泌されていれば高温期の不調も出にくくなると考えられますし
ホルモンの司令が上手く働けるようにするのも大切と考えるのです。
西洋医学的にはホルモンが足りなければそのままそのホルモンを補充すると考えるのですが
中医学的にはホルモンがうまく出るような体づくりを考えると捉えることもできます。
また低温期から高温期にうまく切り替わらない人は、排卵がうまくいっていないわけで基礎体温表などでしっかり体温の差が0.3°c 以上ない場合は無排卵のリスクも考えられます。
排卵がうまくいかないということはうまく卵を排出できていないわけで、それを促すために辛温解表であったり活血、利水などの漢方薬を使うこともあります。
またこの時期にだけ動悸が現れるなどの方も結構いらっしゃいます。
これは陰陽が切り替わるのがうまくいっていない方が多いので、心腎交通を調整するような漢方薬を使うことで改善することも多いです。
また中医学での陽とは変化のことを指し大きく体を動かします
ですから西洋医学でのホルモン補充などの治療は直接、陽にアプローチしており体のバランスを大きく崩してしまう人がたまにいて副作用などから続けられない場合もあります。
そんな場合にも陰にもアプローチする中医学は有効だと言えるのです。
この場合での陰とはしっかりした肉体といった意味合いがありますが、それを補っていくのにはしっかりした食事も欠かせません、ですから中医学の治療では食養生なども含めて指導していくことが一般的です。
ただ胃腸の弱い方などの場合はせっかく食べても吸収できなくて胃もたれしてしまったりお腹がゆるくなってしまったりする人もいますので、そんな場合はまずは胃腸を整えるなどの身体全体のバランスを考えた治療をするのも中医学の特徴です。
また中医学では生殖機能を腎の働きと考えますので不妊治療ではとても補腎が大切なのですが、この補腎も胃腸に負担になることが多く不妊だから補腎という考えは問題があります。またストレスなどが強いと人生などを消耗するのでそちらの方も考えなければいけないです。様々な可能性を網羅した上での治療が大切なのが分かるかと思います。