治療に見られる五行の考え
五行は中医学の基礎中の基礎の理論です
漢方薬や鍼灸の治療にもこの考えが応用されていることは多いです。
瓊玉膏
という漢方は 補腎の漢方と思って方が多くいるが
本来は肺の潤いを増す漢方でして
使われている地黄は補腎する作用の強い熟地黄でなく
熟地黄より軽やかで潤いを増す作用の強い生地黄または鮮地黄が使われている。
腎は肺の子供なので腎も充実する。
そもそも肺を充実させるためその親である脾を整える生薬が多く入っており相生の関係をよく考えた漢方と言える。
脾→肺→腎と相生を活かし直接腎を補わないことにより、脾の負担を軽減するメリットがある。
帰脾湯
心脾両虚と言う心血と脾気の不足が同時にあるときに使われる漢方で
心と脾の相生の関係から
親である心を整えれば脾も元気になるとのとの治療が考えられるが
脾はすべての臓腑に気血を作りわけ与える存在で心も例外ではないので
相生の考えとは逆に脾を整えそこから心血を作り出すとの工夫がされた漢方
ですので子供の脾から親の心で帰っているとの意味から
帰脾湯と名付けられている。
復溜
足少陰腎経の経金穴であり金(肺)は腎(水)の親にあたるので
足少陰腎経の母穴とも言われる
そのため腎の不調全般に使われることが多い
私がこのツボ使っていてイメージは
上手く巡っていなくて機能していなかったため痰湿となっていたものが
巡るようになるため本来の腎陰として機能するようになっているのではと感じています。
復溜を打つ前は手足の裏のみ火照り手足は冷えている方の火照りがとれ全体が暖かくなることが多いのと、浮腫が取れつつ潤い不足の症状が軽減することが多いためです。
肺とは全身の巡りに大きく関わる臓腑ですから金穴がこのような作用を示すのも納得な部分であるかもしれません。
また、復溜はアキレス腱の際にあるツボでアキレス腱の太い人はコレステロールが高い傾向にあるとの研究もあり、痰湿をコレステロールと考えるとつながりがあるのでは?
なんて考えるのも面白いです。