点と点をつなげる
漢方相談や鍼灸をやっていると
特定の事項があるときに
特定の場所に反応が出るとの方がいらっしゃいます
たとえば
悩みごと(ストレス)が多いと鼻翼が赤くなる方がいます。
この場合なら
ストレス→鼻翼が赤くなる
の2点があるわけですが
その2点の間にある経路を想定してさらにはその経路から起こる症状を
患者さんに聞いていきますと治療の幅が広がります。
この場合ストレスに最も関係する臓腑は肝ですから
開始点は肝と考えられますね
肝はストレスを感じると熱を持ちやすく
その熱は肝の上部にある肺や胃に移りやすいです。
また肺と肝は相剋と呼ばれる関係にあり肺が肝を抑制する関係にあります
肝が機能亢進しすぎると肺がそれを抑制しきれなくなり肺にも問題が起きる相侮といった状況になります。
この時点で想定される経路は
肝→胃
肝→肺
更に終着点である鼻翼が赤くなるは
迎香と言うツボの付近
迎香は陽明大腸経のツボとなります。
陽明大腸経と陽明胃経は同じ陽明経の経絡ですので相互に影響が及びます
また大腸と肺は表裏の関係
そう考えますと
陽明大腸経(迎香)→陽明胃経
陽明大腸経(迎香)→太陰肺経
となります。
ですので
肝→陽明胃経→陽明大腸経(迎香)
または
肝→肺→陽明大腸経(迎香)
の流れが想定できます。
そう考えるとこの経路にある臓腑の不調も起こっている可能性があるので
患者さんに
・「そんな時、過食に走りませんか?」(胃熱の可能性)
・「食べたくなるが食べれないなんてことありませんか?」(胃陰虚の可能性)
・「便秘気味になりませんか?」(大腸の乾燥の可能性)
・「咳が出たりしませんか?」
あるようなら
「激しい咳ですか?」(肺熱の可能性)
「空咳ですか?」(肺燥の可能性)
などと質問するとそれありますとなることは多い。
鼻翼が赤くなるやストレスでの肝の熱が予想されるので
熱とそれによる乾燥から起きる部分を聞くのがポイントとなります。
また陽明大腸経・陽明胃経どちらにもまたがっている可能性が高いわけで
陽明がかかわる身体の前面の筋肉であったり、歯痛などの口腔内の症状がある可能性もあります。
また体の外側での症状は
身体の外側が陽ですので経絡上でも陽経の経絡に反応が出やすい傾向にあります
ですのでそれぞれの臓腑の表裏を理解して
陽経の経絡の大まかな流れを知っておくと五臓の状態を知る指標ともなります。