不眠症を考える
一言に不眠症といっても
寝つきの悪い方、寝れても途中で目が覚める方、寝てはいるが昼間に眠気が残っている方など様々です。
まずは患者さんにの訴えがどれに該当するのかの確認は必要です。
日中の眠気であればまず本当に必要な睡眠時間が取れているかの確認が必要
仕事のある日より休みの日の睡眠時間が長い人の場合根本的睡眠時間の不足が考えられます。
またそういった問題はないが昼間に眠い場合は夜の問題もさることながら気血不足などにより元気が維持できていない可能性も考慮する必要があります。
特に食後の眠さなどだと脾気虚を疑います。
また昼寝などをしておりそれにより夜眠れなくなっている方もいます。
入院などして寝たきりの方などは特にです。
身体を動かせれば理想ですがそれが出来ないので仕方ないことがありますね。
そんなときは結果が見え解決の出来る勉強やパズルなどの終わりのある自律神経の切り替わりが出来る脳作業をするのがオススメです。
また高齢者で根本的に睡眠時間が短くなっているのに若い時の睡眠時間を求めている方もいます。
そういったものを除外してその上での夜間の問題としての不眠について考えると
寝つきが悪い・途中で目が覚める・睡眠の質が悪いとそれぞれが複合のパターンになるかと思います。
寝つきに関しては陽から陰への切り替わりが悪い
陽から陰への切り替わりとはさらに
陽が強すぎてのパターン
ストレスや飲食での熱、熱いお風呂など原因は様々で
気滞(巡りの悪さ含む)→肝火上炎
元々あった痰湿に熱が絡む→痰熱内擾
食生活の不摂生などで胃に熱がこもりその熱が心に移ることによる不眠
陰が増えないのパターン
スムーズに熱が発散できていないわけで、潤い不足→心腎不交、陰虚火旺
などが考えられる
また元々の陰陽共に少なすぎそれ以上、陽を減らせない
身体が冷えすぎると眠れないに書いた状態などもある
途中で目が覚める・睡眠の質が悪いのは血が充実していない
これも実は陽が強すぎるため血を消耗のパターンもあるし
血の不足からの潤い不足で陽から陰に切り替わりにくいこともあるので重なるところも多いですね。
またこのパターンは脾の機能低下が関係していることも多く
脾気が弱っているために心血が不足していると考える→心脾両虚
脾には問題がないがストレスや食生活で心血が不足している→心血虚
また心脾両虚と言える状態でも脾が弱すぎる場合は心血のことは一旦あきらめ
補脾から始め心血については食養生をススメることもある。
途中で目が覚める・睡眠の質が悪いのは心気が充実していない
この場合は悪夢などを見ることも多いですね
また心血がないと心気も養えないので前述の心血不足と重なるところも多いです。
以前の私の体験談ですが
睡眠の質が悪く夢が多く昼間の眠気もあった高齢の方
漢方を飲んでそれらは全て改善したのですが睡眠時間が一般的高齢者の睡眠時間くらいに短くなりそれが不満で漢方をやめてしまったとの経験があります。
昼間の眠気などもなくなっているので問題ないことも説明しましたが
睡眠に対する価値観は人によって違うなと思った事例です。