生薬はなぜ効くのか(形が似ている物)
不調のある部位に形や性質の似ている食べ物を食べると
不調が治るとの考えが、漢方や薬膳にはあります。
似類補類、同物同治、象形薬理などとも言います。
よく言われる説としては
古代の人たちが形が似ているから効果があるのではないかと試してみて
効果のあったものが経験として現在まで伝えられ残っていると言うもの
確かに
蝉は夜に鳴かないので子供の夜泣きに効く→蝉退
ミミズは穴を掘って通りを良くするので神経のつながりを改善する→地竜
などなどありまして本当かいな?
といったもの多いんですが実際に効果があるんですよね。
ただ物の類似性による効能を考えた時
西洋医学では説明できないのか?
と考えられた時これはもしかしたらといったものがあるのでそれについて書かせていただきます。
これまでは人間が食べ物を食べると、アミノ酸、ブドウ糖、ビタミン、ミネラル、などに一度分解し再度体の中でタンパク質、グリコーゲンなどに再構築されるので
どのようなものから栄養を取っても同じとの認識が強かったのですが
近年マイクロRNAといった細胞の外に放出される物質がほかの遺伝子の発現を調節するという、生命現象において重要な役割を担っているとの研究が近年進んできています。
特に実用性のある研究として進んで来ているのがガン細胞の出すマイクロRNA
ガンの周りにある細胞に指令を出し自身に栄養を供給する血管を作らせたりしているのが分かって来ておりそれを抑制出来ればガンの増殖を抑えられるや
特定のマイクロRNAを検出できればガンの早期発見につながるとも言われています。
さらに面白いのはここからで
ガンだけでなく普段からある細胞同士でも情報伝達として使われているんです。
さらには食べた食品からのマイクロRNAの影響を生き物が受けているのも分かってきています。
それから考察すると
例えば蔓のようにドンドン伸びていく性質を持っている物は
そうあるべきであるとの指令を持ったマイクロRNAを持っているかもしれないんです。
それが人間に吸収されて効果を示している可能性もあるんです。
なにせ近年研究が進み始めた分野ですので今後の研究の進展が楽しみですね。
ですがそれらが分かるまでは、長年の経験に裏打ちされた知識を上手く使っていくのも良いと思いませんか?
また全ての栄養素さえ網羅しておけば完全食とも言えないことになります。
一見同じような栄養バランスでも様々な食品から摂取するメリットがあるのかもしれませんね。