みかんの皮を捨てるのはもったいない(陳皮・橘皮)
みかんの美味しい季節になってきました。
みかんの皮は実は漢方薬にも使われる生薬になります。
捨ててしまうのはもったいないので、効能などについて書かせていただければと思います。
みかんの皮を干したものは橘皮(キッピ)と呼ばれ
その皮を最低2~3年熟成したものを陳皮と呼びます。
そして陳皮は古いものほど、効能が高く作用もマイルドだと言われます。
西洋医学的に分かっているところでは、みかんの皮にはアレルギーの症状を抑えてくれる物質とともにアレルギーを悪化させる物質も入っていると言われているのですが、古くなるとアレルギーを悪化させる物質の方が減っていくのが分かっているとのことです。
ですのでより副作用的なところがマイルドになり効果がアップすると考えられます。
もちろん橘皮の状態でもプラスマイナスで考えるとプラスの部分が多いと考えています。
みかんの皮をそのまま捨ててしまうのはとてももったいないです。
ハウス物のみかんなどは表面にワックスが塗られていることもありテカテカしています。
手で触ると手にもそのテカテカがひっつくのですぐに分かるかと思うのですが、
このままでは陳皮として使うことはできないです。※食べてしまっても問題のない成分で出来てはいるそうです。
そういった場合にお勧めしたいのは、中性洗剤などでしっかりとワックス落とし
水洗いした後に水分を拭き取り、皮を剥いた後に干すと言った方法です。
ただ注意したいのは面倒だからとまとめてワックスを落としてしまうと、みかんがすぐにシワシワになってしまったりするので、食べる直前にする必要があります。
ハウス物以外のミカンではワックスが使われていることは少なく、ミカン自体が自身を乾燥から守る天然のワックスであることが多いようです。
ハウスものとか一部だけでワックスは使われるようですね。https://t.co/uIx7EXqiyE
— オックー@漢方(中医学)+鍼灸 #オックー中医学勉強会 (@okukatu42) 2020年10月22日
橘皮・陳皮
比較的マイルドな作用なので様々な漢方薬に吸収などを助ける意味合いで含有されている生薬でもあります。
ですがもちろん極端に気虚が強いや潤い不足、熱が強いなどの時には注意する必要もあります。
漢方薬の場合は他に潤す生薬が多く入っておりそれによっての胃腸への負担を軽減する意味合いもあったりするのでそこまで心配する必要はありませんが、個人で大量に陳皮を作りそればかり飲むというのはより心配になります。
ちなみに七味唐辛子などにも入っており、香りを嗅ぐとすごくいい香りがして意外に辛くないオレンジ色の強い七味唐辛子には多く含まれております。
七味唐辛子などの薬味は食欲亢進などを期待する部分もあるので陳皮はとても良いのでしょうね。
秋になっており乾燥のシーズンであることもあり潤いの食材などを取るのが大切な時期なのですが潤いの食材が負担になってしまう人に少し陳皮を加えるとその辺の負担が軽減されるメリットもあります。
秋の果物などは基本的に体を冷やす場合もあり、その部分でも陳皮の温める作用とのコラボが素敵ですね。
また同じみかんの皮でもまだ食べられない未成熟な実のうちに皮を剥いたものを青皮(セイヒ)と言います。
青皮
性味 辛・苦/温 帰経 肝・胆・脾・胃 効能 疏肝破気、消積化滞
こちらは陳皮などに比べると対応が強烈で気をとても強く巡らせてくれるのでストレスなのにとても良いのですが、巡らせる作用が強すぎるがゆえに気を消耗する部分も大きく気虚の人に使うのは危険です。
また名前に青*1と入っているように、肝経に入りやすく肝・胆の不調にとても有効です。
さらにみかんの実は?
みかん
性味 甘・酸/涼 帰経 脾・胃・大腸 効能 清熱潤肺、生津止渇、理気
となり潤いを足しながらの理気ですが食積痰湿の強い人が過食すると痰を生じやすい
これなにか気付きませんか?
そうです、みかんの良くない作用を陳皮でカバー出来るんです。
*1:青や緑は五行では肝の色