二十四節気の冬至から雨水の脈象について(真冬)
難経と言う鍼灸の古典には季節によって出やすい脈の状態が書かれています
七難との部分ですがそれには
脈象では沈短敦が現れるとあります。
冬至から雨水とは年によって日は多少ずれるのですが
今年2020年では12月21日~2月19日となり一年で一番寒い盛りとなりますね
厥陰の気が盛んと言うのは最も陰の気が盛んと考えることが出来ます。
この厥陰の気ですが、東洋医学では人間自体の状態だけでなく自然界の変化も大切にしますので人間の厥陰経の気が盛んになるのでは無く自然界の厥陰の気が盛んになるとのイメージの方がよいのかと思います。
脈象では沈短で敦*1が現れる
について考えて行きたいと思います。
沈とは脈が沈んだ状態*2
- 外邪(陽邪も含む)が内側に入ってしまった場合
- 内生の邪がある場合
- 陽気の不足で上手く表面に発散出来ない場合
- 外寒邪により冷やされた場合
などが考えられます。
1・2に関しては季節と関係なく人間側の不調なので可能性は低いです。
このシーズンは冷えが強いので3・4での可能性が高いのではと考えられます。
さらにこのシーズンは既に寒いのに慣れている時期なので急な冷えの4より3の方が妥当な気はします。
そして短とは脈の幅が短い状態
- 気虚でしっかり血液を送り出せていない
- 陰血不足で脈に流れる血液が少ない
- 気血両虚で送る力も送られる血液もない
- 痰湿や瘀血といった病邪により気血の運行が上手くいっていない
- 気滞ににより気血の運行が上手くいっていない
などが考えられます。
この場合も季節と関係ない人間側の問題4・5の可能性は低く
1は寒さが極まるシーズンなので冷えることにより陽気が不足する可能性があります。
で2・3のような状態は陽が減り相対的に陰が余り血圧が上がることがありむしろないかと
書きましたがこのシーズンまでいくと既に要らない陰は排出されバランスが取られているでしょうから2・3の可能性も出てくると考えます。
ただ寒くなると痰湿・瘀血はできやすいので4はありかもしれません
また敦とあることから考えると自然界の陰が極まりそれによって人間側の陰陽が共に減ることによりバランスを取れている状態と考えると3の可能性が最も高いと私は考えています。