五液について(汗)
中医学では五液という考えがあり
肝→涙
心→汗
脾→涎(よだれ)
肺→涕(はなみず)
腎→唾(つば)
の五臓が関わっていると考えます。
ここでは汗について書かせて頂きます。
心は血脈を主ると言われ
脾胃が取り込んだ水穀の精微を血に化生し
その血を全身にポンプ機能を使って行き渡らせます。
心の拍動と脈拍は連動し
奇恒の腑である脈と心が連結しているのがわかります。
心気によりポンプ機能が維持され 機能しているのですが、 この心気の素を生み出しているのは心血であり血管内に心血がしっかりあることがとても大切なのが分かるかと思います。
ですので心気虚などの症状を治めるための治療として心血のケアも抜かすことはできません。
西洋医学的にも心臓の筋肉の動きを維持するために 冠動脈から、心臓に血液を取り込んでいるのは有名ですね。
汗は心液である、津血同源、汗血同源のなどともいわれます。
汗をかくと血液の絶対量が減るのは明白ですしそれにより動悸なども起こすのは
西洋的に考えても分かりやすい現象です。
ですので熱中症などで多くの汗が出てしまった場合は点滴などで血液の水分補充をします。
そこまでになる前に経口補水液などを飲むのも良いですね。
また外部からの熱や運動での熱を発散するためだけでなく
中医学でのもう一つの心の神明を主る
神明とは精神・意識・思維などを指していますから
西洋医学で言う大脳などの作用もしているわけです
脳は最も熱を発散する臓器ですからその熱を発散するのにも汗が大切なので
どちらの意味でも心→汗と思いを馳せます。