アルツハイマー型認知症について
中医学で考察させていただきます。
まずこの話をしたとき脾が弱い*1
とのことでしたので脾が弱い時に起きることから起きる
認知症につながる事項を考えました。
脾が弱ると起こることを考えると、
正虚といい必要なものが足りない状態
邪実と言って要らないものが多いか詰まった状態
の二つが考えられます。
これについては陰陽論と邪実・正虚についてで書かせていただきました。
- 気血を作り出すことが出来なくなりますから脳に栄養を送ることが出来なくなりす。 これは正虚の状態
西洋医学的にも貧血は認知能力を下げると考えられますし、中医学で言う血は脳神経自体のことも指していたりするのでより認知症に関わるのが分かるかと思います。
西洋医学的には
アルツハイマー型認知症は、脳にアミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が溜まり、神経細胞が壊れて死んでしまい減っていく為に、認知機能に障害が起こると言われています。
でありまさに要らないものが溜まってしまっているんです。
このように痰湿が脳に溜まって健忘など起こすのを痰阻心迷と言います。
こういった場合使うので有名な生薬が遠志(おんじ)で菖蒲(しょうぶ)・川玉金(せんぎょくきん)・茯苓(ぶくりょう)などと併せて使うことも多いです。
またこの #オックー中医学勉強会 では話さなかったですが、認知症には肝・心・腎なども関わります。
肝が弱ると
- 肝血が不足してしまいますと肝の気を巡らせる機能が低下するのでイライラなどの認知症における随伴症状が悪化します。このようなとき抑肝散などが使われるんですね。これは正虚の状態
- ストレスが強いと気の巡りが悪くなりイライラしたりしますこの場合を認知症と考えることは少ないと思います。これは邪実の状態
心が弱ると
- 心血が不足してしまうと心神不安になり不眠・動悸・多夢・健忘などを起こします。これは正虚の状態
- 脾の時のにお話しした痰阻心迷と被るところはありますが痰濁が心竅を蒙閉し精神的問題を起こすことがあります。元の原因は脾が作った痰湿だったりするので完全に分けられないかもしれません。これは邪実の状態
腎が弱ると
- 腎は髄海(脳)を生み出すと考えられますので、腎精が不足すると脳が委縮します。これは正虚の状態
ここまで書くと肝・心・腎で書いたこと脾で書いたこと重なるなと思った人鋭い!
脾は全ての中央で全ての臓に気血を分配していますから。
肝血作りますし、心血作りますし、痰湿作りますし、腎精も補います。
正も邪も作ってるんですね。
より脾側の問題か
よりそれ以外の臓の問題か
でのさじ加減はあります。
これ以前に書いた点と点をつげると同じで
認知症の現場である心・肝・腎と脾が弱いをつないで行きそのつながりから治療方法につなげるになりますね。
*1:胃腸機能が弱い