脈拍の速さについて
漢方を体質に合わない人に使うととても大きな副作用が出ることがあります。
場合によっては命にかかわることもあるのでしっかり判別して出す必要があるのですが、 特に注意したい部分として寒熱の判別があります。
寒熱とは体が冷えているが熱があるかを判断することになります。
ですがこれは体温計で測って熱があるないで分かるものではないのが問題点
その判別方法としてオススメしできるのが脈拍の速さです。
昔であれば指で脈拍を測るわけですからなかなか難しい技術だったかもしれませんが、
今なら血圧計などで簡単に脈拍数を測定することもできます。
病院などでは必ず測ったりするパロメーターなのでこれを基準にして見るのはとても良い方法だと思います。
西洋的に考えて脈拍が早くなるのは、ストレスや緊張、体に炎症などの熱反応がある
または出血などにより血液が足りなくなっている、酸欠などが考えられます。
これらは中医学にも置き換えて考えることができます。
- ストレスや緊張、体に炎症などの熱反応があるこれは
中医では実熱と考え、ストレスや緊張も熱を生むと考えます。
- 血液の不足は
中医学では虚熱と考え潤い不足により熱が生まれていると考えます。
また痛みで脈拍が早くなることがあり、中医学では冷えは痛みの原因となりますので
冷えからの脈拍が早くなる可能性ももちろんありますがこれは、痛いとの本人の自覚が有るはずなので除外出来ますね。
ですので脈が速くなるのは実熱であれ虚熱であれ
熱が原因と考えられるのです。
ですので脈拍が早くなっている方に
葛根湯や麻黄湯など辛温解表剤
人参湯や大建中湯などの温裏剤
五積散などの解表温裏剤
八味丸や牛車腎気丸などの補陽剤
は基本的には避けるべきです。
冷えと熱の混在もあるので絶対使わないとは言えませんが
試しに漢方使ってみたいなんて時には
脈拍早い人に温める漢方の使用は控えましょう。
多くの医療事故を防げるのでは?
と考えています。
現状の西洋医学中心の医療では実際は寒熱の問題での漢方使用での体調不良でも
それを認知せず見逃している場合も多いのかとおもいます。
では実熱・虚熱があるので冷やさねばとなりますが
その場合は虚実の判別をしてそれぞれに合わせた治療が必要になります。